主演男優賞を受賞した佐藤浩市は「20年近く前にここに登壇し、歳月がたってまたここにいる喜びを感じます」と話した。

 主演した「64-ロクヨン-」は、横山秀夫のベストセラー小説を映画化。昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件をテーマにした大作で、難事件に挑んだ刑務部の広報官を演じた。80日を超える撮影を振り返り「ヤマ場続きでずっとゆるめるところがない作品。ほっこりできるシーンがない緊張感はあったが、刺激の楽しさもあった」とした。

 現在56歳。かっこいい大人の俳優として揺るぎない存在感を放つ。「現場では落ち着きないし、うるさいし、いつもテンパっている」と笑いながら「56にしてお前これか、という感じですが、そういうふうに見えるというのが役者にとって大事なこと」と話した。

 昨年の同賞受賞者として表彰盾を贈った高良健吾は「やり続けている大先輩。僕も歯を食いしばって、やり続けることを目標にしたい」と語った。