今年、大ブレーク確実といわれる。俳優大谷亮平(36)。昨年のTBS系連続ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」にメインキャストの1人として出演。連続ドラマ初レギュラーながら鮮烈な印象を残した。韓国で人気獲得後、日本で本格的な芸能活動を始めてからまだ1年にも満たない。異色の経歴を持つ新星は、早くも2作の注目ドラマに出演する。心境を聞いた。

 「逃げるは恥だが役に立つ」には、星野源(35)演じる会社員の同僚、風見涼太役で登場した。何でもできる「スーパーハイスペックイケメン」の設定だが、ドラマエンディングで、話題の「恋ダンス」も披露。ぎこちないながらも真剣に踊る姿に視聴者から「(設定との)ギャップがいい」「ヘタかわいい」などの反響があった。

 「振りを間違えずに踊ろうと考えすぎちゃったんですね。『ちょっと硬いんじゃない』と言われたりしました。50点ですね。でも、いい思い出です」

 慣れない日本の現場だったが、コミュニケーションは大切にした。

 思いを寄せた女性を演じた石田ゆり子(47)からは「日本と韓国の現場の違いをアドバイスいただきました」。ヒロインの新垣結衣(28)からも「日本の撮り方はこうですよ」とアドバイスされた。

 「僕も韓国ではどうだったか話しました。現場の雰囲気は良かったですね」

 もともと日本でモデルを始めたが、03年に韓国「ダンキンドーナツ」CMに出演して反響があり、拠点を韓国に移した。韓国語は話せなかったが、不安は「なかった」と言い切る。

 「(学生時代に)毎日がバレーボールの練習という体育会系でやってきたので、まったく別の世界がすごく新鮮でした」

 俳優としてドラマや映画に多数出演した。接点ができた日本の芸能プロの誘いもあり、昨年から拠点を日本に移した。逆輸入型俳優として「第2のディーン・フジオカ」と言われることもある。そうした呼称を嫌がる俳優も少なくないが、台湾の友人から「『第2の-』と取り上げられるには運も経歴もないとダメ。ポジティブに捉えた方がいい」と言われた。

 「俺もそう思っていた。これもきっかけですから」

 今日6日と13日に放送するテレビ朝日系ドラマ「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」(金曜午後11時15分)に出演する。トレードマークのヒゲを剃(そ)り、3人の女性の心を奪う男を演じた。20日スタートの同局系連続ドラマ「奪い愛、冬」(金曜午後11時15分)にもレギュラー出演。倉科カナ(29)演じるヒロインの元恋人を演じる。

 「(ヒゲを剃ったので)違和感がありますが、今は大谷亮平より、『逃げ恥』の風見が認知されているので、変えられる範囲で変えられれば。韓国や台湾でも活動したいですが、今年はまず、日本でしっかりやっていきたい」【近藤由美子】

 ◆大谷亮平(おおたに・りょうへい)1980年(昭55)10月1日、大阪府生まれ。モデルとして活動後、03年に韓国「ダンキンドーナツ」CMが評判を呼んで韓国で芸能活動開始。「神弓-KAMIYUMI-」「バトル・オーシャン 海上決戦」など出演映画が大ヒット。昨年から日本で活動を本格化させ、フジテレビ系連続ドラマ「ラヴソング」などに出演。特技は国体出場歴を持つバレーボールや乗馬。独身。180センチ。血液型O。