米国時間の8日夜に開かれたゴールデン・グローブ賞授賞式で、映画界に貢献した人物に贈られるセシル・B・デミル賞を受賞した女優メリル・ストリープ(67)が、受賞スピーチで次期大統領トランプ氏(70)の言動を非難。

 これに対し、トランプ氏がツイッターで、「ハリウッドで最も過大評価されている女優の1人」と反撃するなど、大物同士のバトルに注目が集まっている。

 ストリープはトランプ氏の名前を出さなかったものの、「ハリウッドにはアウトサイダーや外国人が大勢集まっているのに、彼らを追い出せば、フットボールやマーシャルアーツしか観るものはなくなる」と、トランプ氏の排他的な姿勢を強く批判。

 さらに、トランプ氏が2015年の党大会で、身体障がい者のリポーターをあざけったとされる事件について言及し、「不遜は不遜を呼ぶ。暴力が暴力をかき立てる。権力者がその立場を利用し、他人をいじめる時、私たち全員が敗者となる」と非難した。

 トランプ氏も早速、ツイッターで、ストリープについて「過大評価されている女優」「ボロ負けしたヒラリーの腰ぎんちゃく」と猛反撃。

 さらに9日朝、ニューヨーク・タイムズ紙の電話インタビューに応じ、「ゴールデン・グローブ賞は一切、観なかった」とした上で、「リベラルな映画人たちに攻撃を受けることに、驚きはない」とコメントしたという。

 ハリウッドではストリープの発言を擁護する声が多く挙がっており、エレン・デジェネレス、アンナ・ケンドリック、ジョージ・タケイら多くのスターたちが、ツイッターでストリープの勇気をたたえるメッセージを寄せている。(ニューヨーク=鹿目直子)