俳優ディーン・フジオカ(36)が結婚詐欺師を演じることが11日、分かった。主演映画「結婚」(西谷真一監督、今年夏公開)で、大人の色気を発揮して、たくさんの女性を手玉にとる主人公を演じる。NHK連続テレビ小説「あさが来た」でヒロインを支える五代友厚を演じてブレークするなど、好青年役の印象が強いが、イメージを一新する役柄に挑戦する。

 演じるのは、出会った女性の心に入り込む男、古海健児。いくつもの偽名を持ち、作家、空間コーディネーターなど、職業も次々に変え、女性から金品をだまし取る。ディーンは「今まで、自分が演じたことのなかった役、演じることを考えたこともなかった役なので、正直、今は少し不安ですが、説得力のある結婚詐欺師を演じられるよう頑張りたい」と話している。

 実は、孤独や心の闇も抱える難役でもある。今月の撮影開始に向けて「世の中的にはよろしくない人物が主人公ですが、その視点だからこそ見える愛の物語をお楽しみに」と解釈して現場に立つ準備をしている。

 西谷監督は「あさが来た」でチーフ演出を務めており、ディーンの魅力の引き出し方は熟知している。ディーンと最初に会った時、香港スター俳優トニー・レオン(54)のような年齢や性別を超えた色気を感じたという。「最初に感じた、大人の男が持つ優しさと色気、すごみを引き出し、見たことのない新たな魅力を描きたい」と話している。

 古海の相棒、千石るり子を演じる柊子(しゅうこ=25)はディーンと初共演。「初めてお会いした時、優しくて温かい瞳に吸い込まれそうになりました。瞳をまっすぐ見つめて臨みます」。

 同映画の原作は、作家井上荒野氏が12年に発表した同名小説。

 ◆ディーン・フジオカ 本名藤岡竜雄(ふじおか・たつお)。1980年(昭55)8月19日、福島県生まれ。米シアトルの大学を卒業後、05年香港映画「八月の物語」で俳優デビュー。主に中華圏で活躍。15年フジテレビ系「探偵の探偵」から日本のドラマに本格出演。中国語(広東、北京)、英語、インドネシア語を話す。12年にインドネシア生まれ、オーストラリア育ちの女性と結婚、14年に男女双子が生まれ、16年に第3子妊娠も公表。