「王将」「矢切の渡し」「風雪ながれ旅」など多くのヒット曲で知られ、戦後の歌謡史を支えた作曲家船村徹(ふなむら・とおる)さん(本名福田博郎=ふくだ・ひろお)が16日午後0時35分、心不全のため神奈川県藤沢市の病院で死去した。84歳。舟木一夫(72)ら多くの歌手が、5500曲以上を世に送り出した偉大な作曲家の突然の死を悼んだ。

 ▼舟木一夫(72) 29歳から30歳のころ、歌手をやめようと思ったことがあり、夜中に突然、船村先生から自宅に電話がかかってきて、「俺の大好きな『夕笛』はいったい誰が歌うんだ」と言って電話を切られました。「男の仕事とは、歌手が歌を歌うということは、そういうことか」と思い、やめるのをとどまりました。「巨星逝(い)く」という古い言葉がありますが、まさにその想いです。

 ▼杉良太郎(72) 作曲家として約60年ぶりに文化勲章を受章されることによって、演歌歌謡曲の世界が活性化され、勢いづいてほしいという気持ちが私にはありました。お元気なうちに平成28年度の文化功労者として選ばれ、1月18日にパーティーがあり、力強いあいさつをされているのを、うれしく見ておりました。

 ▼大月みやこ(70) 昭和58年に「女の港」で私自身の歌世界を作り上げていただいて以来、大切な大切な恩人として長く敬愛申し上げておりました。ただただご冥福をお祈りするばかりです。

 ▼細川たかし(66) 船村先生とは1月18日、先生のパーティーでお会いしたのが最後となってしまいました。先生からは「矢切の渡し」という名曲を提供していただき感謝の一言です。

 ▼伍代夏子(55) 去年の心臓の手術も成功し、もっともっと作品を歌わせていただけると信じていましたのに、大変残念でなりません。

 ▼島津亜矢(45) 先生に曲を頂くことは大きな夢でした。師である星野哲郎先生に、「船村先生に曲を頂きたい」とお願いをすること10年。私のわがままを聞き届けてくださり、ちょうだいした歌が「海鳴りの詩」です。この歌との出会いがあって、今日の私があります。

 ▼走裕介(43) 文化勲章受章を祝う会でお会いした時、本当にお元気になられて良かったと、鳥羽一郎先輩と話したばかりでした。一番びっくりしているのは、船村先生だと思います。

 ▼村木弾(37) 内弟子として12年半、身の回りのお世話もさせていただきました。亡くなる3日前のレッスン後、「あとはおまえ次第だからな」とおっしゃってくださいました。

 ▼八角・日本相撲協会理事長(元横綱北勝海) 思いがけないこと故、驚いております。約10年にわたり横綱審議委員会委員として横綱白鵬、日馬富士の推薦をいただきました。(順不同)