寺島しのぶ(44)の主演映画「母」が25日公開され、都内で舞台あいさつが行われた。

 「蟹工船」などで知られる作家、小林多喜二の母親にスポットを当てた作品で、「多喜二は国家権力によって殺された。こんなことが2度とあってはいけない。今撮らないといけない」との思いで、85歳の山田火砂子監督がメガホンを取った。寺島は「お金も時間も無い撮影でしたけど、監督の思いだけで、熱量だけで完成しました」と振り返った。

 共演の渡辺いっけい(54)も「テレビの仕事が多いけど、改めて映画は監督の思いで動くものだと実感しました」という。松本若菜(33)は「撮影中に監督が体調を崩されたことがありましたが、咳き込みながら指示を出された。心身を削る姿に感動しました」と明かした。

 山田監督は「新藤兼人監督のように100歳までお撮りになった人もいる。私は101歳まで頑張りたい」と意欲を新たにしていた。