女優浅野ゆう子(56)が25日、大阪市の毎日放送で、TBS系ドラマ月曜名作劇場「みなと署落とし物係 秘密捜査官 危険な二人」(3月6日午後8時~)をPRした。

 浅野と遠藤憲一(55)によるダブル主演の刑事サスペンス。警視庁で遺失物係にいる警察官・里崎直美は、かつて捜査一課でたぐいまれなプロファイリングの才能を持つらつ腕刑事だった。しかし、正義を貫くあまり、組織の論理ではじき出され…。今回はかつての上司に見込まれ、講演中に怪死したエコノミストと、現場から失踪した若手刑事の行方を探る“秘密捜査官”の特命を受け、義弟である捜査一課の“肉体派”星野翔と事件の真相と、警察の“闇”を追いかける。

 浅野は直美を演じるにあたり、一風変わったヒロイン像を模索した。

 「一般的なヒロインは明るくて、善人で…というパターンが多いけど“嫌な女”を狙いました。感情表現は抑えめに、上から目線、偉そう、セレブ感を漂わす。同性の友人も少ない、男性にもモテない。そういう嫌な女を演じようと」。

 個性的な役作りに踏み込めたのは、遠藤の存在が大きかった。過去に共演経験は多数。プライベートでも親交があり、遠藤の妻と年が同じだったりすることで、1つ年下で強面(こわもて)の遠藤を気軽に「エンちゃん」と呼ぶ。

 「最初は怖かったけど、今は全然。お酒を飲むと甘えてきて、かわいい男性なんですよ」と素顔の遠藤を笑うが、役者・遠藤に対するリスペクトはハンパではない。「本当に芝居が好き。いつもこちらの演技をきっちり見て、受け止めて、演じ返してくださるんです」。遠藤が義姉の直美に、いつもイラつく役柄を愚痴っぽく演じたことで、嫌な女との異色の“バディーもの”が出来上がった。

 かつて浅野温子と「W浅野」と称され、トレンディー女優と呼ばれた。日本人離れしたスタイルで“股下1メートル”という逸話もあった。「あれは都市伝説です!」と笑い飛ばす浅野だが、健康には気を配る。「舞台に入る前などには、ワークショップなどもしますよ。でも、やり過ぎるとヒザや足首が“イテテ”となったり」。無理せず、体に聞きながらの体調管理がモットーだ。

 今回の撮影は京都、神戸、奈良でロケを行った。職場は警視庁だが、遺失物係はスタジオのセットだった。神戸生まれとあって「遺失物係は、すみませんけど、そのへんで撮ってます。やっぱり関西人なんで、関西の仕事はほんまに楽しい」という。「秘密捜査官」のシリーズ化に意欲的だ。「監督、スタッフのおかげで、終盤の盛り上がりは圧巻の出来です。人として最も大事な人情、つながりもきっちり描かれています。続編があれば“嫌な女、里崎直美”もより熟成してお見せできると思いますので、ぜひ!」と笑顔で売り込んでいた。