東映やくざ映画で活躍し、「十津川警部」シリーズなどテレビドラマで広く親しまれた俳優渡瀬恒彦(わたせ・つねひこ)さんが14日午後11時18分、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。72歳。16日、所属事務所が発表した。

<「十津川警部」シリーズ共演者>

 ◆伊東四朗(79)の話 来月、ドラマでご一緒するはずでした。お帰りなさいと言うつもりでしたのに、さよならになるとは…。十津川シリーズの54本は忘れられない財産です。

 ◆山村紅葉(56)の話 25年間、あちこちの断崖絶壁で、その土地のおいしいお料理をごちそうになり、いろんなお話をうかがわせていただき、心から尊敬申し上げておりました。突然のことに、悲しみが深すぎて、気の利いたお別れの言葉も見つからず申し訳ございません…。

<「警視庁捜査一課9係」シリーズ共演者>

 ◆羽田美智子(48)の話 長年ともに過ごさせていただいた「9係」の現場で、渡瀬さんのいすを見詰めながら戻っていらっしゃることを信じて、待ちわびていました。「渡瀬さんの不在はやっぱり寂しいです」と手紙を書こうとしていた矢先の突然の訃報。信じがたいです。たくさんお話ししたいことがあったのに、、、。

 ◆田口浩正(49)の話 現場で渡瀬さんが見ていてくれる安心感と緊張感。みんなを思いやる渡瀬さんの後ろ姿忘れません。本当にありがとうございました。

 ◆遠藤久美子(38)の話 今年の春も「9係」の撮影でご一緒できると思っていたので、うそみたいです。…言葉になりません。本当にカッコ良い方でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

 ◆「北アルプス山岳救助隊・紫門一鬼」シリーズで共演した高嶋政宏(51)の話 12年間ご一緒させていただきましたが、現場でどうあるべきかのすべて教えてくださった巨星でした。「スタッフは名前で全員、覚えろよ」とか。まだ30代だった僕が、その芝居についてああでもないこうでもないと悩んでると、「そんなに考えて疲れない?」と優しく言ってくれたり、かと思うと「お前どっちでやるんだ!? 早く決めろ!」と叱咤(しった)してくれたり。厳しく優しく、現場で台本を持たない、常にそのシーンをどうやったらおもしろくなるかを考え続けた方でした。

 ◆テレビ朝日系「おみやさん」で共演した桜井淳子(44)の話 海外で突然の訃報を聞き、ただただ驚いております。頭の整理がつかず今は言葉になりません。心からお悔やみ申し上げます。

 ◆85年NHK新大型時代劇「真田太平記」で共演した草刈正雄(64)の話 役者として、男として、人として、格好良かった。僕の目標でした。残念です。

 ◆東映の岡田裕介会長(67)の話 父が俳優になることを勧め、映画そして近年はテレビで、東映の中心として、ぎりぎりまで大貢献していただきました。友としては、長い間お付き合いいただき、感謝だけです。