TBS定例会見が29日、同局で行われた。内容の評価は高かったが平均視聴率8・8%で伸び悩んだ火曜ドラマ「カルテット」について、武田信二社長が「もっと高い数字をとってもおかしくないという自負はある」と振り返った。

 「私も見たが、お酒を飲んでボーッとしていると会話についていけない時もあり、タイムシフト(録画視聴)でじっくり見るというドラマだったのかな」と語ると、伊佐野英樹編成局長が「60代男性はターゲットに入っていない」と突っ込んで笑いが起きる一幕もあった。

 全話の平均は、リアルタイム8・8%、タイムシフト7・9%(最終回は測定中)、総合視聴率は15・8%(同)だった。野球のWBC中継で放送が押した2回分の方がリアルタイム視聴率が上がったとし、伊佐野局長は「帰宅した女性がお風呂入って頭にタオル巻いて冷蔵庫から缶ビール出して『さあ行くぞ』というのが11時だったのかなと思う」と分析した。

 「内容の評価は高いが視聴率がともなわない」という取材陣からの指摘に伊佐野局長は「そう言われるのは『重版出来!』の時など3回目。工夫はしているが、進歩していないみたいで心苦しい」。また「視聴率は1ケタだったが、ずっと横ばいで下がっていない。好きな人を最後まで見続けさせたのはなかなかのもの。『逃げ恥』のように雪だるま式に膨れ上がることはめったにない。はじめにつかむ人の数をもう少し多くする制作上の工夫が今後の課題」と話した。