木村拓哉(44)が19日、東京国際フォーラムで行われた主演映画「無限の住人」(三池崇史監督、29日公開)ジャパンプレミアで、杉咲花(19)、三池監督とともに、約1500人の観客と一緒に映画を鑑賞した。

 2時間21分の上映後、木村は杉咲とともに客席に立って観客に手を上げた。すると、場内に割れんばかりの拍手が巻き起こった。木村は「温かい拍手をいただいた時に、見てくださった皆さんがスクリーンに対して向けてくれた気持ちを、初めて体感できて、初めて映画が出来あがった気がしました」と熱っぽく語った。

 感激する木村を見て、三池監督は「この映画が出来て、その時、いろいろなタイミングがあって、木村さんが、また新しい一歩を踏み出すことに、いい何かを与えることが出来たかな」と語った。直接的には言及していないが、15年11月から16年1月まで行われた撮影中、表面化したSMAP解散騒動、そして同年末の解散後、一俳優として歩み出した木村の現状を踏まえたとも取れる発言だった。

 それを聞いた木村は、最後に観客にメッセージを送った。

 木村 本当に全てを受け取ってくださって感謝します。目を覆う瞬間、あったでしょうか? 全て、受け取れ切れましたでしょうか? 本当に終わった後の皆さんからいただいた拍手を、自分の中で前に進む勇気に置き替えて…これからは、もう自分は全力でやるしか能がないので、、取り組んでいきたいと思いますので。これを機に、映画館という非日常の空間を皆さんの生活の、もっと身近な位置にしていただけたら、本当にうれしいです。もっと、もっと、この作品と皆さん、つながって下さい。

 この日はプレミア前に舞台あいさつが行われたが、木村が自ら希望し、上映後のサプライズ舞台あいさつを企画、実施したという。木村は感激が大きかったのか、ラストシーン撮影の裏話含め、熱く語り続け、舞台あいさつは20分近くに及んだ。

 木村はラストシーンの撮影時に細かな打ち合わせがなかったことを明かし、「見てくださった方に、何か残ればいいと思って」という思いを込めて、本番ではアドリブで狙って、ある動きをしたという。その瞬間が刻み込まれたラストシーンを見た観客の温かい拍手を受け、木村の心の中には今後の活動への、大きな勇気が残ったようだ。【村上幸将】