ベッキー(33)をCMキャラクターに起用した映画「LION/ライオン~25年目のただいま~」が公開中だ。

 米アカデミー賞では作品賞を含む6部門を受賞(ノミネート)。25年前に迷子になったインド人青年が、グーグルアースを使って故郷を探す感動の物語(実話)だ。公開週末の「ぴあ映画初日満足度ランキング」では堂々の1位、公開2週で興行収入約2億円と、順調な推移を見せている。

 宣伝担当者はベッキーの起用について「最初は不安だったものの、結果的に正解だった」と語る。

 話題の人物を起用することで、マスコミの注目は高まる。しかし場合によっては裏目に出て批判され、映画自体のイメージダウンにもつながりかねない。話題性の獲得と裏腹にリスクも伴う。

 ここで宣伝マンの腕が試される。CM出演発表時のオフィシャルコメントは秀逸だった。

「ひょっとしたら、私にも奇跡が起こるかもしれないって思えるようなストーリーです」

 読んでみると、どんな意味にも受けとれる。もちろん映画の内容を紹介した言葉なのだが、昨年の不倫騒動でタレントとして痛手を負ったベッキーが今、置かれている状況を考えると、記事にしやすい言葉にも感じられる

 ベッキーも最近、ほどよく「黒歴史」をネタにしている。出演映画のイベントでは、就活生からの悩み相談に対して「過去は変えられない。前を見て歩くしかないでしょ。ご縁がなかったんだな、もっといい出会いがあるんだなって思えばいい」と答えた。妙に説得力がある。さらにマスコミ志望の学生には「(就職したら)優しくしてね」と自虐ネタも交えて切り返した。騒動にノータッチではなく、かといって、不自然に触れすぎてもいない。絶妙なあんばいだ。

 かつての不倫相手、川谷絵音(28)の活動再開発表が、映画のキャンペーン期間と重なるなど、ベッキーの発言が注目されるタイミングだったことが影響しているかもしれない。いずれにせよ、宣伝に協力した映画「LION/ライオン~25年目のただいま~」の「満足度1位」が、ベッキー起用の成功を裏付けていると感じる。