俳優川平慈英(54)が27日、都内で映画「手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~」DVD発売記念トークイベントに出席した。

 同作は15年5月、大腸がんで亡くなった故今井雅之さん(享年54)が原作・脚本・主演を務めた同名舞台を映画化したもの。自身も主演に意欲的だったがかなわず、彼の意志を継ぐ奈良橋陽子監督(69)が今井さんの盟友川平を主演に起用し、16年5月に公開された。

 この日は川平に加え、奈良橋監督、七海(26)板尾創路(53)も出席した。川平は「撮影現場は愛があふれていました。キャストとスタッフの思いが注ぎ込まれた作品です。過密で殺人的なスケジュールでしたが、一生続けばいいなと思いました」。同作について「まーちゃんの生き様、パッションが詰まっていて、奈良橋監督の愛情あふれる暖かい映画です。この映画を大切な人と一緒に見ていただき、愛することのすばらしさ、生き続けることのすばらしさ、相手のために生きるすばらしさを少しでも感じていただき、生きるパワーにつながればまーちゃんも本当に幸せだと思います」と話した。

 奈良橋監督は今井さんに対して「雅之、Thak you So much!」とお礼を延べ、「彼が役者みんなに機会を与えてくれた。今後私も映画を作るし、役者たちもがんばっていくと思う」とキャスト陣にエールを送るとともに集まったお客さんにも「落ち込んだ時に彼のことを思い出して、大きな愛情にふれて元気になってください。彼はそういう人だったし、この映画はそれを賛美するためのものですから」と訴えた。

 また、今井さんと縁深い重松隆志、松本勝、岡安泰樹、福島彰吾も駆け付け、それぞれが思い出を話した。松沢は「漢というイメージがぴったりでした。僕らにはかわいい一面は見せたくなかったんでしょうね」と話し、松本は「エピソードは話せないことばかりです(笑い)」。岡安は「本当にサプライズが好きな人なんですが、やり方がちょっと」とエピソードを披露した。後輩役者には怖いイメージが強かったようだが、川平は「おちゃめな面もあって、演出を始めてからは役者ではなく演出家今井雅之を演じていた部分もあったと思う」と話した。

 同DVDには「メイキング映像」「舞台あいさつ」なども収録。初回限定版には今井さんの秘蔵映像や親交のあった方からのメッセージ映像など特典映像が楽しめる。