腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)症の手術を受け、休業していた宮川大助(66)が30日、大阪・なんばグランド花月で、妻で相方の宮川花子(61)とともに漫才を披露し、約3カ月ぶりに仕事復帰した。

 花子は、うつぶせで手術を受けた大助が、手術時に使用したドーナツ型クッションを「顔入れへんから、便器のふた(便座)使ってん」などと、大助をイジリ倒し、息もぴったりで爆笑を連発。幸先いいスタートに大助は「新人賞レースで優勝するくらいの気持ちで出て行った」と言い「大助・花子、今が旬ですよ!」と猛アピールした。

 大助は3年前から腰痛に悩まされ「朝起きて寝汗がびっしり出てるくらい、ずっと痛かった」。漫才時にも花子が肩に手を置くだけで「怖かった」と言い、今年に入ったあたりからは「腰から下が冷たく、まひしていた」と明かした。

 2月28日の舞台出演後、感覚のまひが強く、歩けなくなり、病院へ行くと「5段階で言えば(最悪の)レベル5。狭窄が3カ所ある」と言われ、緊急入院。3月2日に約7時間に及ぶ手術を受けた。

 術後、医師から「レベル5を超えてレベル6だった。今病院に来ていなかったら、寝たきりになっていた」とまで言われたそうだ。ただし、術後にも再び悲劇が襲っていた。

 大助は3月2日に手術を受け、いったん同28日に退院。自然に囲まれた奈良県生駒市内に一戸建てを構える大助は、庭や近くの山の草むしりが趣味で、すぐに草むしりを始めた。

 「草ぼうぼうとか、もう、我慢ならんのでね」

 4月に入って、東北復興支援のため、プライベートで岩手を訪ねるなどもし、高熱に見舞われた。「39度の熱が1週間、いよいよあかん思うて、病院行った」ところ、手術の傷口から細菌が入っており、5月2日に再び緊急手術となった。

 花子はこのときの様子を「草むしりとかするから、菌入ったんかなと思うて、先生に『いつですか』聞いたら『細菌だけに、最近です』やって。センスあるわ、この人と漫才しようかと思った」と笑わせながら、振り返った。

 今でこそ、笑い話だが、当初は5月15日に仕事復帰の予定で準備していたため、すべて仕切り直し。1人で仕事を続けていた花子は、折しも、左鎖骨などを骨折した間寛平の代役に入る仕事もこなし「もうヤケクソでした」と語った。

 この日の復帰は1週間前に決まっていたが、退院のメドはなかなか立たず、28日にやっと退院。大助は「今んとこ、痛みもない。大丈夫。首から上ははっきりしてるんで、もう走りたい気分やけど、そこはまだ(万全になるには)3カ月くらいかかるらしい」。仕事量も、移動距離もじょじょに増やしていく方針だ。

 大助・花子は、6月24日に大阪・新歌舞伎座で開幕する「五木ひろし・坂本冬美 特別公演」の芝居「夫婦善哉」への出演が決まっており、これには予定通り出演する。