女優でモデルの山本美月(26)が15日、愛知・長久手市のトヨタ博物館で、NHK・BSプレミアムのドラマ「真夜中のスーパーカー」(3月28日午後10時)の取材会に、唐沢寿明(54)上遠野太洸(25)と出席した。7日にクランクインし、同市内を中心に収録している。

 テレビドラマ初主演の山本は、運転免許は持っているものの、車には詳しくないという。「(車好きの人に)失礼のないように、ていねいに撮っています」と明かした。

 取材会には、ドラマで着用するレーシングスーツ姿で登場した。167センチの長身が活きる、オーダーメードのスーツで「体のラインが出るので、姿勢をちゃんとしてないといけないので、シャキッとしますね」と気を引き締めた。

 ドラマは、愛知県の主要産業でもある自動車産業をテーマにしたファンタジー要素をメインに、日系ブラジル人の置かれた現状を描いたドキュメンタリー要素を加えた。山本は世界有数の自動車メーカー、ナゴヤ自動車でスポーツカー開発を夢見るカーデザイナーの白雪を演じた。自動運転車の開発部門への異動を命じられ、落ち込んでいたところ、ふとしたきっかけで訪れた自動車博物館で、車を盗もうとしていた日系ブラジル人のリカルド(上遠野)と出会う。そんな中、白いレーシングスーツを着たなぞの男(唐沢)が登場。命を吹き込まれた車が並ぶ魔法の空間に閉じこめられてしまうストーリー。脚本は人気漫画「鋼の錬金術師」の会川昇氏が担当した。

 この日から収録に参加する唐沢は、物語に登場する名車トヨタ2000GTを擬人化したような役どころ。唐沢自身も、同車の所有者でもあり、「好きな車を見るだけで顔がほころびます。この車にほれ込んでいて、その化身のような役をできるのはうれしい。このドラマをやらなくて何をやるんだというくらい、うれしい役どころ」と適役を喜んだ。

 2000GTに乗ってドライブしたい場所を聞かれると、山本は「高速道路に乗りたい。スピードを感じたいです」、上遠野も「免許を持っていないので、もし乗れたら目的地というよりはただ走らせてみたい。体で(スピードを)感じたい」とまじめに答えた。ところが、唐沢は「山本さんと行くなら間違いなくエロいところでしょうね。どこに行ってもバレますからね。『走り去った』とか、『どこかに入って行った』とか」と、下ネタで山本を苦笑いさせていた。

 大橋守チーフディレクターは「山本さんは50年前の2000GTを見て、『おしりがかわいい』と言ってくれていますし、唐沢さんには2000GTという骨董(こっとう)品という生活をともにしている話を聞ける。大きな夢のあるドラマに仕上がりそう」と期待を寄せた。