アイドルグループ、ももいろクローバーZの有安杏果(22)が21日、千葉・幕張メッセで開催されたライブをもって卒業・芸能界を引退した。

 最後までパワフルな歌声とダンスと笑顔でファンを魅了した。

 この日は、有安がインフルエンザのため、出場できなかった14年のNHK紅白歌合戦用の衣装で登場。当時、他のメンバーの衣装に有安の衣装を移植したため、作り直したものだという。ステージに登場し、大きな声援を受けると少し目をうるませ「ダンスと歌でみなさんに伝えたい」とあいさつした。

 会場には約3万人、周辺でライブビューイングする約7000人、約3万7000人が5人での最後のステージを見守る中、代表曲「行くぜっ!怪盗少女」など16曲を披露した。

 有安は15日、「22年間、芸能活動をしてきた。普通の女の子の生活を送りたい」と卒業&引退を電撃発表。ライブ前の囲み取材では、「(ももクロで)8年間やりました。後悔はなくすっきりした気持ち」と語っていた。ライブの終盤、メンバーから花束を贈られ百田夏菜子(23)は「新しい道で見つけた夢をお互いが叶えられるように、応援したい」。玉井詩織(22)は「良いライバルみたいな存在でした」。佐々木彩夏(21)は「隣で一緒にいてくれてありがとう」。高城れに(24)も「これからも友達でいてください」とそれぞれ別れのメッセージを送り、4人が有安に贈る歌としてヒャダインこと前山田健一(37)がこの日のためにつくった「新しい青空へ」を熱唱した。

 サプライズに感激した有安は、百田に「リーダーとしての責任感を教えてもらいました。背中がまぶしかったです」。玉井には「どんな時でも、すごく冷静に周りをみられる優しさを教えてもらった」。佐々木には「いつでもアイドルでいることを教えてもらいました」。高城には「自分がどんなに苦しくても相手を思える温かい心を教えてもらいました」と思いを送った。

 そしてファンに向けて「やりきったなと思っています。後悔はないです。みんなに自慢できるくらい幸せになりたいと思います。4人のことをよろしくお願いします」とあいさつ。開始前に「最後まで泣かずに歌いきりたい」と話していた通り、目は潤ませたが、最後まで笑顔のままステージを降りた。

 一方、4人になったももクロも、この日から新しいスタートを切った。歌手の松崎しげる(68)が登場し、5月23日に10周年記念ライブをグループ初となる東京ドームで行うことを発表。百田は「戸惑いもありますが、4人でもたくさんの人に笑顔を届けられるようなグループでいたいと思います」と気持ちを新たにしていた。なお、同日のベストアルバム発売も発表された。