「ミックス。」(石川淳一監督)で主演女優賞を受賞した新垣結衣(29)は、2008年(平20)に「恋するマドリ」、「ワルボロ」、「恋空」で新人賞を受賞して以来のブルーリボン賞受賞に「10年前に新人賞をいただいた当時から、きっと2度と主演女優賞などで、この舞台に立たせてもらうことはないだろうと勝手に思っていた。想像もつかないことで驚いて実感がない」と感慨深げに語った。

 新垣は壇上で、司会の大竹しのぶ(60)から「全然、変わらない…かわいい」と言われると「30歳ですから…」と照れ笑いを浮かべた。「まだ30歳…。『恋ダンス』など社会現象になって『かわいいガッキー』と言われて当然だと思う?」と聞かれると「実感としては、あまりないですし…でも、やることはやらねばとか、そういう役とか、お仕事のおかげで(かわいいと)言ってもらっていると思っています」と答えた。

 さらに、大竹から「何している時が今、1番楽しい?」と聞かれると「家で深夜1時くらいからお酒を飲みながら音楽を聴いて、好きな時に寝るのが1番楽しい」と答えた。すると、大竹と司会を務める松山ケンイチが「1時まで起きていられるんですね! 昨日は夜9時に寝た。1時に寝たら6時とか7時のロケに起きられないでしょ?」と驚いた。新垣は「健康的でいいですよね。いつかそうしたい。(早い)ロケの時だけ早く寝ます。1時から飲むので、寝るのはもっと遅いです。休みの時に、家で寝る前の時間が1番、楽しい」と笑みを浮かべた。

 「ミックス。」は、かつて天才卓球少女と期待された多満子(新垣)が、会社の卓球部のイケメンエース江島(瀬戸康史)に告白されて交際したものの、後輩選手の愛莉(永野芽郁)に寝取られて退社。その後、スパルタ指導者だった母華子(真木よう子)の卓球クラブに戻り、クラブ再建と打倒・江島を誓い、妻と娘に捨てられた元プロボクサーの作業員・萩原(瑛太)とミックスダブルスを組む物語。

 新垣は壇上のスピーチの中で、受賞に当たり20代の前半で秋田料理の店に行った時のことを思い出したと語った。時間になったら店に登場し、パフォーマンスをしていた、なまはげから「昔、体を悪くした人がどこに行ったと思う?」などと声をかけられたという。そして「病は気からと言いますが、なまはげさんから『劇場に行ったんだ。笑ったり泣いたりして元気になるために…それくらい、すばらしい仕事を君はしているんだから、頑張れ』と言っくれて」と振り返った。その上で「ふと今回も思い出して。皆さんに元気を与えられると実感した映画で受賞できて幸せ」と喜んだ。