芸能界屈指のきれい好きとして知られる坂上忍(50)が、全国の気になる汚れを大掃除するテレビ東京系日曜ビッグバラエティ「ニッポン激ヤバ地帯を大掃除! 坂上忍のピカピカ団2」が、25日午後7時54分から放送される。坂上率いるピカピカ団は今回、若者の聖地として知られる東京・渋谷センター街に足を運び、50カ所以上の落書きを落とした。高圧洗浄機「エコロビーム」を手に、自ら落書きを除去した坂上は、ニッカンスポーツコムのインタビューに応じ、「ピカピカ団」をライフワークとしてシリーズ化したいという思い、そして2020年東京オリンピックで世界各国から選手、観客を迎え入れる、東京の街の美化への熱い思いを語った。

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 -今回は大変なロケだった。見どころは?

 坂上 全てにおいてバージョンアップしている。前回、やらせていただいた時、お褒めの言葉をいただいたようで…それは、うれしかったんですけど、そこまで言われていいのかなと正直、思っていて。その言葉をもらうには、まだ早いですとか、ちょっと申し訳ないです、という気がしちゃったんですけど、今回は、こういう番組はありなんだな感じはしました。

 -社会貢献につながったという手応えは

 坂上 それは自分からは言えないですから(笑い)多分それは、言われるべきことだと思うんですよ。僕らは社会貢献をするつもりとかではなく、やっぱり依頼があって、その人たちとつながって1人、1人助けてくれる方が増えていく中で作業している。それが、お褒めの言葉をいただけた。ありがたく受け止めるかなという感じですね。

 -今、日本の世の中には街だけじゃなく、政界の問題をはじめ、きれいにしなければいけないものがたくさんある。今の日本の世の中をどう思うか?

 坂上 はははははっ…きれいにしたいもの? でも、僕も、そんなに偉そうなことを言える立場ではないんですけど、ただ…近々で言うなら、東京オリンピックがあるので、やっぱり迎え入れる側の気持ちとか心をいま一度見つめ直して、きれいに出来るところはきれいにしてお迎えしなきゃいけない。現実問題として、センター街の落書きなど、目に見えるものをきれいにしなくてはいけないし。きれいにしなければいけないものは、いっぱいあるんじゃないですか? と言われると、そうなんですよね…と。今回、やってみて、もしかしたらこの番組って、こんなに幅があったんだと…その街、土地の人とコラボが出来る要素が詰まっていると思いましたね。

 -平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)の開催地は、韓国でも地方だった。そこから一転、20年東京五輪は大都会・東京で開催される。海外から来た人たちは、街の汚れに驚くかも知れない

 坂上 渋谷は最近、ご無沙汰だったのであまり来ないですよね。若者の街というイメージが強くなっちゃったので。だからセンター街が、ここまで落書きだらけという認識はなかった。(シャッターの落書きを除去した沖縄料理店)「やんばる」のご主人とお話ししたんですが、僕らは開店した時を見ていますからシャッターを下ろしたら、あんなことになっていたのかと。ちょっと衝撃でしたね。

 -目標が東京オリンピック…壮大なテーマになった

 坂上 地道に、コツコツと…(笑い)

 -坂上忍が東京オリンピックを救う! と

 坂上 いや、いや、いや…端っこでね(笑い)でも、いろいろなやり方があると思うんですよ。今回、北斗晶さん、武井壮君、岡井千聖ちゃん、パンサーの3人も、普通のロケの3~5倍は働いていると思いますよ。吉本興業の若手の芸人さんも、こぞって来てくれたり…。この番組がやろうとしている目的に賛同してくれる方って結構、多い…自然発生的に増えていけるような気がして。

 -ライフワークになる

 坂上 そうですね。厳しい枠みたいですけど、頑張って結果出して。本当に、いろいろな種類の番組に出させていただいているんですけど…この種類は初めてですね。例えば、ごみ屋敷に行ったことはあります。お掃除も手伝ったことはあります。ただ、こういった広がり方をする番組とは出会ったことがなかった。すごくやりがいが持てると言うか、珍しく意義を感じると言うか。出る側が、あまりそういうのを意識しちゃ、いけないとは思うんですけど。

 坂上の言葉を受けて、テレビ東京の石井成臣プロデューサーは、今後について「自分ではどうしようもなくなってしまい、地域で問題となってしまうような汚れスポットというのは無数にあります。今回の放送以降、視聴者の方からもSOSを募集しますので、それらも含めて継続的にやっていきたいと思っております」と今後のシリーズ化を示唆した。

 坂上は、15年に子役の指導書「力を引き出すヒント-『9個のダメ出し、1個の褒め言葉』が効く!」を出版している。渋谷を離れようとする坂上に「しつけは、身を美しくすると書く。子どもの指導も掃除も通じるところがあるのでは?」と問いかけた。

 坂上 (街の美化も)そんなようなものだと思います。笑いを届ける番組もあれば、時事について言いたいことを言う番組もあり、「ピカピカ」というキーワードを元に、いろいろな人とコツコツときれいにしていってというのもあって…。子どもたちが楽しい番組もあるなどと言う中で、僕としては、こういう番組があると、ちょっとうれしいですね。

 テレビ番組で舌鋒(ぜっぽう)鋭く世間を切り裂く表情とは全く別の、温かく優しい笑顔を浮かべ、坂上はセンター街を去っていった。【村上幸将】