テレビ朝日報道局コメンテーター室解説委員の玉川徹氏(55)は、辞任に追い込まれた財務省の福田淳一事務次官のセクハラ行為を告発した女性記者の一連の行為を「ハニートラップ」だと臆測する一部の声に対し、「下衆(げす)の勘繰り」と批判して反論した。

 20日放送の同局系「羽鳥慎一モーニングショー」は、福田氏のセクハラ問題を取り上げた。福田氏はテレビ朝日が自社の女性社員のセクハラ被害を公表したことに対して前日19日に「同社がどういう調査をしたか知らないが、(会話の)全体をみればセクハラに該当しないことは分かるはずだ」と述べ、あらためて、自らのセクハラ疑惑を否定した。

 玉川氏は、福田氏が女性記者へのセクハラ行為を認めないまま辞任を表明し、裁判で争う姿勢を見せていることについて「白か黒わからない状態で辞めてしまうと当然、退職金もきちっと出るし、再就職もできる。認めてしまうと退職金も減るだろうし、再就職も難しくなるかもしれない。(訴訟を起こして)2年3年後に結論が出るんだとしたら、とりあえずそこまでは時間稼ぎができる。最終的に『名誉毀損(きそん)じゃない、週刊新潮が正しい』という認定がされたとしても、そんな時に出る記事はほんの小さい記事。ニュースだってちょっとやるぐらいでしょ、そんな昔の話。そんなことを考えているのかな」と推察。「過ちて改める機会をみすみす失うということがいいんだろうか。人間だから間違うことはあります。間違いだと認めて反省をして謝罪をして、それを後に残すということをする機会もあったはずなのに。それがすごく残念」とため息をついた。

 さらに玉川氏は、「(福田氏に対する女性記者の一連の行為を)ハニートラップだと下衆の勘繰りを書いている人がいる」と指摘した。さらに「(女性記者が福田氏とのやりとりを)録音してたのも、それまでにも(セクハラ行為)あったから自分を守るためにしてたんだし、初めからこれを持って首をとろうとかそういうことじゃないですよ。クビにしたくてやってるんじゃなくて、変わってほしいからやってるんですよ、女性は。そういうふうなことを誤解している世の中がまだまだある。そういうことじゃないんです」と持論を展開した。