俳優仲代達矢(85)が21日、東京・角川シネマ新宿で開催中の「大映男優祭」のトークイベントに出席した。

 市川崑監督の「炎上」(58年)を京都で撮影していた時、大阪での舞台にも出演していたという。「(午後)に終えてくれれば芝居に間に合う、と言っていたんですが、崑監督に『仲代くん、芝居やめてくれないかなあ。買い切るからさ』と言われた」と明かした。仲代は苦笑いで「1000人のお客さんが待っていますから、衣装をぽっぽと脱いで、タクシーで行って、15分くらい遅れて幕を開けました」。

 昔は台本が出来上がるのも早く、役者がせりふを入れる余裕も十分にあったという。最近の映画界について「時間がないとか、当たるためにどうするかが先行している。素晴らしい役者がいると思いますが、昔ほどいい環境ではないと思います」とし、「私はそろそろ出られませんが、次世代の役者が頑張ります」とエールを送った。

 「大映男優祭」は5月11日まで。