秀樹、君が突然、去ってしまったことを知ってから、何日がたっただろうか。

 皆さんに「気持ちが整理するまで少し時間を下さい」と頼んだのだけど、どうやってこの現実を受け止めていいのか、いまだに君の言葉、いろいろなことを思い出して、泣いてばかりいる。

 秀樹との46年間は、簡単に語りきれるものではありません。こんなふうに君への弔辞を読むなんて、考えてもいなかった。僕にとって、君は本当に特別な存在だった…ある時は兄のようでもあり、ある時は弟のようでもあり、親友でもあり、ライバルでもあって…いつも怒るのは僕で、君は怒ることもなく全部受け止めてくれて。僕と君の大きさは、心の大きさが違うよね。つくづく、そう思うよ。いつも僕が言うことを大事に大事に聞いてくれて、何で、そんなに信用してくれていたの?

 訃報を聞いて、君の家に向かう途中で、僕は突然、思い出して、妻(三井ゆり)に(思い出話を)言った。

 秀樹の歌で「ブーメランストリート」って曲があって、「ブーメランだから きっとあなたは戻ってくるだろう」って歌詞だけど、でも、戻ってこなかった人のアンサーソングとして「ブーメランストレート」ってどうって(秀樹に)言ったら、「それ、いいね」って。秀樹、大笑いして、そうしたら彼、本当に「ブーメランストレート」って曲、出してしまったんだよ、と。

 君の家に着き、君に手を合わせ、奥さんの美紀さんと話し始めたら、秀樹の曲をかけ続けていたディスプレーから、突然「ブーメランストレート」が流れてきた。数百曲もある君の曲の中で「五郎、来てくれたね」って、君だけが分かる合図を送ってくれたのかなって、そう思ったよ。