山口達也涙の謝罪…無期謹慎もTOKIOに戻りたい

会見の冒頭に謝罪し、涙を流すTOKIO山口達也(撮影・林敏行)

 女子高生に無理やりキスをしたなどとして、強制わいせつ容疑で警視庁に書類送検されたTOKIO山口達也(46)が26日、都内で謝罪会見を開いた。所属事務所は、芸能活動の無期限謹慎を発表。山口は酩酊(めいてい)状態でキスしたことを認め、警察から連絡を受けるまで事件性の自覚はなかったという。被害者や関係者、メンバーへの謝罪を口にするたび、何度も涙を流した。24年連続出場中の大みそかのNHK紅白歌合戦も、今年の舞台に立つのは厳しい状況となった。

 TOKIOメンバーへの思いを聞かれると、山口は言葉に詰まった。涙がこぼれ落ち、マイクを握る右手はがくがくと震えた。「城島茂、国分太一、松岡昌宏、長瀬智也…。23年間、同じ方向を向いて走ってまいりました。人生の半分彼らと一緒に戦ってきて、助けて、助けられてここまでやってきました」と必死に言葉をつなぐ。「私の身勝手な件で、彼らがどれくらいつらい思いをしているのか、どういう思いで過ごしているのかと考えると、どうしていいか分かりません」と泣き、はなをすすった。

 この日はスーツ姿で一礼して登場すると、600人以上の報道陣の前に立ち、頭を下げた。30秒後、同席したジャニーズ事務所の顧問弁護士から促され、ようやく頭を上げた。目には涙が浮かぶ。会見に先立ち、顧問弁護士から経緯などの説明があった上で、被害者の親からのコメントが代読されると、下を向き、涙を流した。

 事件の細かい経緯も明かした。事件があった2月12日まで「肝臓の数値が高くなっていた」などの理由で約1カ月間入院しながら、仕事先に通っていたという。退院した2月12日は、朝の仕事を終えた後に帰宅して飲酒。「つい飲み過ぎてしまいまして、かなりの量を飲んでしまった」。焼酎をびん1本ほど飲み、酩酊状態だったという。

 その後、被害者の女子高生に電話し、家に来るよう誘った。彼女が友人を連れ、午後8時ごろから30分~1時間くらい、3人で話していたという。ただ「目が覚めたらいなかったので、帰られたんだなと思った」。

 山口と顧問弁護士の話を総合すると、当時山口は事件性があるとは思っておらず、先月末に警察から連絡があり、取り調べが始まった。捜査関係者などによると、大筋で容疑を認めているという。山口は「怖かった」などの理由でしばらく誰にも事件について相談せず、今月16日に初めて事務所に報告。その数日後に書類送検され、さらに、その後に示談が成立したとみられる。顧問弁護士によると被害者からの金銭の要求はなかったが、被害者側への金銭譲渡については「お答えできない」としている。

 被害者には「もしかしたら一生忘れられない出来事になったのではないかと考えると本当に申し訳ないです」と謝罪。ファンへも「謝っても謝りきれない」とうつむいた。TOKIOのメンバーとしては「甘い考えかも知れませんが、もし待っていてくれる私の席がそこにあるなら、またTOKIOとしてやっていけたら…」と口にし、大粒の涙を流した。

 TOKIOは来年25周年を迎える。今年は紅白出場にも黄信号がともり、人気者として託された期待や信頼が大きく揺らいでいる。