女優岩井友見(60)仁科亜季子(58)仁科幸子(48)の父で、歌舞伎の立ち役のほか、映画、テレビでも活躍した俳優岩井半四郎(いわい・はんしろう、本名・仁科周芳=にしな・ただよし)さんが25日午前0時46分、多臓器不全のため都内の病院で死去した。84歳。葬儀・告別式は29日正午から東京・築地本願寺第二伝道会館で営まれる。喪主は長男の仁科周興(にしな・ただおき)さん。

 岩井さんは日本舞踊の初代花柳寿太郎の長男として東京に生まれた。1935年(昭10)に有楽座「侠艶録」の市川ぼたんで初舞台を踏み、51年に10代目岩井半四郎を襲名。戦前から映画にも出演し、テレビドラマでは時代劇に多数出演した。最後の舞台は97年1月、国立劇場「壇浦兜軍記」の花扇屋戸平次で、日本舞踊・岩井流宗家としても活躍した。

 次女亜季子と前夫松方弘樹(69)の結婚に強く反対し話題を呼んだが、79年11月の披露宴直前には1人で会見に立ち、「娘をやったと思わない。息子が1人増えた」と強がってみせた。90年には三女幸子の婚約会見にも同席するなど、子煩悩な父親ぶりを見せていた。