人気子役の谷花音(9)が来年2月の東京・日比谷シアタークリエ公演「Paco~パコと魔法の絵本~from『ガマ王子vsザリガニ魔人』」で初舞台初主演を務めることが26日、分かった。9歳での主演は07年開場のシアタークリエでは最年少で、東宝系の劇場では100年の歴史を持つ帝国劇場のミュージカル「オリバー!」(90年)に当時8歳で主演した黒田勇樹に次ぐ最年少主演記録となる。

 「Paco」は04年に後藤ひろひと作、G2演出で「MIDSUMMER

 CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人~」のタイトルで初演された。ちょっと変わった人が集まる病院を舞台に、わがままで嫌われ者の老人が毎日同じ絵本を読んでいる少女パコのために絵本をもとにした芝居をしようと奔走するストーリー。08年には再演され、同年には中島哲也監督で映画化もされた、人の優しさに泣ける人気作品だ。

 初演で伊藤英明、長谷川京子らが出演し、映画版でも役所広司、妻夫木聡らが出演しており、今回はパコに谷をはじめ、老人に西岡徳馬、大人になりきれない元有名子役に松下優也、不良看護師に安倍なつみ、少年の心のままの医師役で吉田栄作が共演する。

 パコ役の実年齢に近く、演技力を買われて主演が決まった谷は「ドラマと違って、すべてのせりふや動きを1度に覚えないといけないので、戸惑ったりすると思うけど、精いっぱい頑張って多くの人に見てもらいたいです」と意欲満々。初舞台にも「決まってすごくうれしかったです。難しいせりふがたくさんあるし、初舞台なので少し不安な部分もあったけど、今は早くやりたい気持ちでいっぱいです」と前向きに話した。

 谷とは初タッグの演出G2も「演劇では子供の役を大人でやるケースもありますが、本当の子供の出すみずみずしいオーラにはかないません。(谷は)もう子役さんとしてはベテランの域ですね。花音ちゃんに期待しています」。3月に全国ツアーも予定している。

 ◆谷花音(たに・かのん)2004年(平16)5月4日、埼玉県生まれ。08年に芸能活動を始める。11年フジテレビ系ドラマ「名前をなくした女神」「全開ガール」に出演し、注目される。12年、同じく人気子役の小林星蘭と音楽ユニット「すたーふらわー」を結成。家族は両親、妹。123センチ。