NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の新たな現象が発覚した。出演者のタレント足立梨花(20)が29日、東京・福家書店新宿サブナード店で、写真集「ADAJIRING」発売記念イベントを開催。能年玲奈(19)演じる主人公アキをライバル視するアイドル役で、能年ファンからブログで批判され始めたことを明かした。それでも、人気朝ドラ出演は知名度を上げるビッグチャンス。足立は「表現が伝わった」と、批判を前向きにとらえている。

 足立がイベント後、思わぬ「あまちゃん」現象を明かした。「ブログでたたかれたりもしたんですけど…」。理由は、今月24日から出演している「あまちゃん」で、能年演じる主人公アキに敵対心を抱く役柄だからだ。

 アキが岩手・北三陸から上京。アイドルグループ、GMT47のメンバーとなるが、足立はその格上グループ、アメ横女学園芸能コース(アメ女)のセンター、有馬めぐ役を演じている。しかし、アキが早々に自分が劇場に出演できない時のシャドウ(代役)に指名されたことで、敵対心を抱くという設定だ。まだ、演技は、にらむ程度でいじめと受け取られる内容でもないが、足立のブログやネット上では「能年ちゃんをいじめるなんて許せない」などと批判のコメントが書き込まれるようになった。

 開始から平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で20%前後を記録し、歌のないインストゥルメンタルの主題曲が、配信で異例のヒット、ロケ地の岩手・久慈市に観光客があふれるなどの現象を起こしてきたが、足立へのバッシングは、人気ドラマゆえの新たな現象だ。

 もっとも、足立はこれを前向きにとらえていた。

 「見ている人にちゃんと演技が伝わっているからだと思います。いつもの私とは正反対の意地悪な子の役がしっかり演じられているんだととらえています」

 滋賀県に住む「朝ドラ」ファンの祖父母も出演を喜び、この日、イベントに訪れたファンからも演技を絶賛されたと明かし、「今のところは、100点満点ですかね。これだけブームになっているドラマに出られてうれしい。もらったチャンスを生かしたいです」と話した。07年、第32回ホリプロスカウトキャラバングランプリで芸能界入りして6年。足立にも「あまちゃん」効果が、訪れているのかもしれない。

 ◆「あまちゃん」東京編(6月24日~)

 母の故郷、岩手・北三陸を離れ、47都道府県の地元アイドルを集めたユニット、GMT47のメンバーになるため上京してきた天野アキ(能年玲奈)。だが、GMT47のメンバーはまだ6人だけで、アメ横女学園(アメ女)の2軍にすぎないことを知らされ、ショックを受ける。ある日、アキは思いがけず出会った事務所の社長、「太巻」こと荒巻太一(古田新太)から、アメ女センターの有馬めぐ(足立梨花)のシャドウ(代役)に指名される。方言丸出しのアキが自分の代役を務めることが面白くないめぐは、アキに冷たく当たる。