【ロンドン7日(日本時間8日)=近藤由美子】ラルク

 アン

 シエルのボーカルHYDEと、Oblivion

 DustのギタリストK.A.Zのロックユニット「VAMPS」が本格的な世界進出の手応えをつかんだ。市内にあるライブハウスのO2アカデミーイズリントンで、欧州ツアー最終公演のロンドン公演を開催。前日6日の同所初日公演中止のアクシデントにも勢いを止めず、ロックの聖地で猛アピールした。

 多国籍なファン層を象徴するアンコールだった。足を踏みならす金髪男性、踊り続けるドレッドヘアのアフリカ系男性…。K.A.Zは「いろいろな国から集まってくれて1つになってパーティーができて。楽しいですよね」。興奮で失神してしまったり、ブラジャーをステージに投げる女性ファンもいた。

 HYDEは万全の状態ではなかった。先月28日にスペインから欧州ツアーを開始。今月3日のドイツ公演でのどをつぶした。ロンドンは2日間公演だったが、6日の初日公演は大事を取って中止。炎症は完全に治まらなかったが、伸びのある声は不調を感じさせず全19曲を歌い切った。「ノドが100点じゃないのが心残りだけどいいライブだったと思う。つまらねーなという感じのファンがいなかった。届いた感じです」。

 自然に気合が入った。ロンドンを「英語圏は日本文化を特に必要としない印象。そういう意味で(開拓に)重要な街」と位置付けていたが、個人的な思い入れもあった。「MTV世代でカルチャークラブなど英国の音楽を聴いて育った。いまだに好きです」。

 欧州ツアーは2度目だが今回は世界デビューアルバム「SEX

 BLOOD

 ROCK

 N’

 ROLL」を引っ提げてのツアー。前回訪れたスペイン、フランスに加え、ドイツ、英国で初ライブを行うなど規模を拡大。4都市で5000人を動員した。HYDEはそれぞれの国の言葉でファンに語り掛けた。

 HYDEはかつて、ロックバンド、ラウドネスが海外チャートをにぎわせた姿に憧れたことを明かした上で言い切った。「今まで日本人アーティストが行けなかった所に行くのが目標。海外では音楽以外の文化は評価されているけど、音楽ではライバルがいない。狙い目だと思っています」。

 ラストで「また戻ってきます。来年?」とファンに誓ったHYDE。世界での活躍に向けて順調に第1歩を踏み出した。