東京区検は28日、暴力団関係者に名義を貸して運輸局に虚偽の車の登録をしたとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪で、フジテレビ元記者の社員(32)と、指定暴力団山口組系組関係者(59)を略式起訴した。東京簡裁は同日、社員に罰金30万円、組関係者に罰金40万円の略式命令を出した。

 起訴状などによると、15年3月10日に社員が高級外車を購入、実際は組関係者が乗るのに社員が自ら使用すると偽って運輸局に申請し登録させたとしている。警視庁によると、社員は警視庁の記者クラブに所属していた13年春ごろ組関係者と知り合い、15年春ごろまでに都内の高級飲食店で1回15万円程度の接待を20回以上にわたり受けた。

 フジテレビは28日、社員を降格処分にしたほか、報道担当役員2人を減俸、元記者の上司2人をけん責とした。元記者は昨年12月に事件が発覚した際に1カ月間の懲戒休職処分を受けていた。同局では警察の取り調べ、処分が終わってからあらためて処分する事を明言していた。元記者は職務に復帰したが、現在は記者職にも番組制作にも関わっていないという。

 フジテレビは「本日、当社元記者が電磁的公正証書原本不実記録・同供用の事実により略式起訴の処分が下されました。フジテレビとしては今回の事件を大変重く受け止めております。今後は再発防止に向けて記者の管理と教育の徹底を図る」とコメントを発表した。