イギリス医師会雑誌2014年にこんな研究が発表された。野菜と果物を1日400~500グラム食べると、すべての病気による死亡リスクが低いことがわかった。83万人が参加した17の研究結果を分析したものだ。心臓病なども減らすこともわかった。がんも減らすことがわかった。

・野菜でがん死亡が減る

 都道府県別野菜摂取量第1位は長野県。平均寿命が日本一である。しかも年齢調整をした後のがんの死亡率は圧倒的に長野県が低い。

・野菜で心臓病も減る

 野菜摂取量第2位は島根県。心筋梗塞が日本一少ない。健康のために1つだけならやってもいいという人にお勧めなのは、とにかく野菜を取ること。

・「だらしのないベジタリアン」が最高

 仕事が忙しく遊びも忙しいおっさんは、健康おたくにはなかなかなれない。せめて1つくらいなら守れるという人は、野菜を取ることだ。野菜さえ取っていれば、焼き肉屋へ行こうが、会社帰りに居酒屋で一杯の回数が多くても、かなり病気のリスクを軽減してくれる。

 ベジタリアンという野菜主義がいいのだが、原理主義者は「健康」にも「幸せ」にもなりにくい。イスラム原理主義も、自分で自分の首を絞めている。

・肉を時々食べないとダメ

 もっと「いい加減」がいいのだ。ベジタリアンだと言いながら、焼き肉屋に行ったら、1人でカルビ3人前ぐらい食べてしまう「だらしのないベジタリアン」が、健康で幸せに生きられるのだ。

 てっとり早いのは野菜ジュース。朝出勤前に野菜ジュースを飲む習慣を作ってみてはどうだろう。ミキサーでもジューサーでもいい。

 ◆鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭23)6月28日生まれ、東京都出身。東京医科歯科大医学部卒。長野・諏訪中央病院院長で「健康づくり運動」を実践。脳卒中死亡率の高かった長野県の長寿日本一に貢献。04年からイラク支援を始め、小児病院へ薬を届けたり北部の難民キャンプ診察も続けてきた。文化放送「日曜日はがんばらない」(毎週日曜午前10時)出演。