公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が24日、大阪市の関西将棋会館で指された第59期王位戦予選で北浜健介八段(41)を67手で破り、予選の準決勝進出を決めた。公式戦通算は51勝7敗(未放映のテレビ対局を除く)。

 序盤から積極的に攻めて快勝した藤井は「序盤から突っ張っていきました。激しい展開になり、難しい局面もありました」と振り返った。これで王位戦の予選はあと2勝すれば、本戦リーグに進出する。「強い先生のいるリーグ戦を目指したい」と意気込んだ。

 北浜は「考えていた形ではありましたが、ここまで突っ張られるのは予想外でした」。2度目の対局に「この前もきょうも強いということに尽きるのではないでしょうか」と完敗を認めた。

 昨年12月のデビュー戦で、現役最年長記録を持つ加藤一二三・九段(77)に勝ってから無敗を続け、今年6月に新記録を達成した。間もなくデビューから1年を迎える。

 「デビューしてからいままでにない経験をたくさんできました。成長できた1年でした。公式戦で長い時間を指すことで考える力がついたかなと思います」

 この日の対局は来夏の王位戦七番勝負で菅井竜也王位(25)への挑戦者を決める戦い。王位戦は予選トーナメントを勝ち抜くと、シード選手を含めた計12人が2組に分かれてリーグ戦を実施。各組の優勝者が挑戦者決定戦を行い、勝者が七番勝負へと進出する。強敵がそろう本戦リーグ入りまであと「2」に迫った。