茨城県つくば市では7日午前、8日の「成人の日」を前に、成人式が行われた。昨年の式典では逮捕者が出るなど、「荒れる」ことでも知られる同市の成人式。この日は厳戒態勢で行われ、大きな騒動などは起きず、無事に式を終えた。

 昨年は、警察官の制止を振り切り壇上に立とうとするなどした当時19歳の少年が、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。市民から「中止すべき」という声も出るなか、外部の警備員数を4倍に増やし、地元の消防員や市の職員らを合わせて300人以上が警備にあたった。受付では入場券の確認や手荷物検査が行われ、飲酒者の入場は規制。式場のステージ前には柵が設けられ、柵の前にも警備員が座るなど厳戒態勢で行われた。

 新成人に向けたあいさつで、五十嵐立青(たつお)市長は「今日、成人式をやるかどうか、いろいろと考えた」と切り出し、「昨年問題があったから、今年は辞めようというのは簡単。騒いだのは一部で、残りの99%の思いを無駄にしてはいけない」と開催の経緯を説明。「みなさんと一緒に、つくば市を前に進める仕事ができる日を楽しみにしている。おめでとうございます」とメッセージを送った。

 新成人の片山碧(あおい)さん(20)は「式が無かったら寂しいと思っていた。無事に終わって安心した。帰ったら、恥ずかしいけど両親に感謝の気持ちを伝えようと思います」と笑顔を見せた。

 つくば中央署によると、会場近くでのバイクの暴走など、迷惑行為で注意した新成人はいたものの、午後1時の段階で逮捕者は出ていないという。市の職員も「無事に終わって一安心」と胸をなで下ろしていた。