民進党に所属していた議員の国会での発言で名誉を損なわれたとして、美容外科「高須クリニック」を運営する医療法人が損害賠償などを求めた裁判で、東京地裁(河合芳光裁判長)は名誉毀損(きそん)を認めず、訴えを棄却した。高須克弥医院長(73)は公判後、控訴する方針を明らかにした。

 昨年5月、民進党所属だった大西健介衆院議員が厚生労働委員会で、美容外科の広告や勧誘の問題について質問。その中で固有名詞と連絡先だけを連呼するCMを陳腐だとし、例として「イエス! ○○クリニック」と挙げていた。

 原告は大西氏の所属先だった民進党の蓮舫代表(当時)も相手取り、計1000万円の損害賠償などを求めていた。その後、同年10月に行われた衆院選を巡る政局で、民進党は分裂し、大西氏は希望の党、蓮舫氏は立憲民主党と所属が変わっている。

 判決では大西氏の発言が、同クリニックの社会的評価を低下させるものではないとし、名誉毀損(きそん)には当たらないとした。

 高須氏は判決後、「想定内の判決だが、『陳腐』という発言に僕は傷ついている。控訴します。最高裁まで行くのが夢だ」と語った。公判にはパートナーで漫画家の西原理恵子氏(53)も同席。判決後、法廷でふくれっ面を見せる高須氏の表情をスケッチブックに描き、ツーショットで報道陣の撮影に応じた。