世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂を目指していた登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)さん(35)の事務所は21日、栗城さんが遺体で発見されたと明らかにした。

 栗城さんと約15年の親交があるアルピニスト野口健氏(44)は21日、日刊スポーツの取材に、4月下旬に栗城さんとエベレストベースキャンプ近くですれ違ったことを明かした。「これまでにない悲壮さを感じた。絶対帰って来るんだぞと言うと『うん、うん』と。普段は互いにたくさん話すが、言葉少なだった」。栗城さんの魅力については「自分の弱さをさらけ出し、悩んでいる人を勇気付けてきた」と語った。単独、無酸素、難ルートでのエベレスト挑戦を続ける栗城さんに、登山スタイルを変えた方がいいとアドバイスすることも。「いつもにこにこと聞いていたが、揺るぎない気持ちがあったのだろう」。野口氏によると、今年のヒマラヤは雪が多く、今月に入ってからは風が強い日が多かったという。