将棋の広瀬章人竜王(31)が15日、都内で行われた第三十一期竜王就位式で囲み取材に応じ、授与された将棋界最高の優勝賞金4320万円の使い道について「実は、まだ、ちょっと考えていなくて…」と苦笑した。

広瀬竜王は、「大きな額ですが?」と聞かれると「もちろん、初めてもらうことなので計画的に使えればと思っています。きっと振り込まれたら(額の大きさを)実感するかも知れませんね。何か大きな買い物をするかも知れないですけど、ちょっと、まだ具体的には…」と笑みを浮かべた。

一方で、額の大きさでも竜王戦の大きさを実感するかと聞かれると「やっぱり各棋戦でタイトルホルダーだとシードされたり、そういう公の場において強く実感するところですね」と答えた。

羽生善治九段(48)に勝って竜王を初めて獲得した直後の会見で、17年末に結婚した妻への感謝の言葉を口にした。あらためて妻への思いを聞かれると「妻も試行錯誤しながら、いろいろな準備をスムーズかつ、あまり私に負担がかからないようにしてくれたと思うので、そのあたりは感謝しています」と照れ笑いを浮かべた。プレゼントの計画はあるかと聞かれると「あまりないです。一応、2人で軽く旅行に行ったくらいで…それで許してもらいます」と苦笑いした。

就位式のスピーチでは「勝てば羽生さんの通算100期、負ければ27年ぶりの無冠ということで、歴史的なシリーズになる役目を私が握られたということで、シリーズをしっかり盛り上げることと、私の人生のターニングポイントになればいいと思った。結果的に4勝3敗…フルセットまでいった。自分の良いところも悪いところも存分に出たシリーズ」と羽生九段との竜王戦7番勝負を振り返った。その上で「あまり余計なことを悩まずに、対局が終わったら次の対局、というのが良い結果につながったと思う」と勝因を語った。そして「これからも竜王位にふさわしい勝ち役が出来る棋士になっていきたい」と抱負を語った。