第160回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞には上田岳弘氏の「ニムロッド」と町屋良平氏の「1R1分34秒」の作品が選ばれた。

平成最後の芥川賞の候補作になり、話題を呼んだ古市憲寿氏の「平成くん、さようなら」は安楽死が法制化されている社会を舞台に、平成最後の年を迎える男女を描く。

選考委員の奥泉光氏は「どこまで批評性を持ち得るかだったが、『ほとんど批評性がない』という意見が大勢だった。時代の先端をいくアイテムが出てくる割には小説としては古い」と論評した。