東京都の小池百合子知事は24日の会見で、近年の猛暑や20年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックに向けた暑さ対策を念頭に、「かぶる傘」を製作していることを明らかにし、その試作品を公開した。6月をめどに完成を目指している。

東京都の「Tokyo TOKYO」のロゴ入りで、見た目は傘だが持ち手はなく、帽子風に頭にかぶるのが特徴。小池氏は「今年の夏はテストイベントがあり、来年は(オリパラ)の本番。会場に入るまでの暑さ対策も必要で、水やかち割りの活用などの議論を重ねている。その1つのソリューション(解決法)としての、かぶる傘です」と、傘をかぶった都庁職員のモデルを横に、説明した。

傘の上部は空気が抜ける構造になっており、熱や光をさえぎる素材を使用。おりしも、原田義昭環境相が会見で「日傘男子」を推奨するなど、男女問わず暑さ対策としての「傘」が注目される。小池氏は「男性の日傘も、とても効果があると思う」とした上で、「男性で日傘を差すのが恥ずかしい人は、思い切ってここまでやってみてはいかがでしょうか」とPRした。

小池氏は暑さ対策について「ハイテク(の活用)もあるが、マラソンコースの街路樹の剪定(せんてい)は、木の陰をつくるためにあまり刈り込んでいないし、日傘やかち割り氷を首に巻くとか、アナログな方法だけれど効果があるものもある。これらも参考にしながら、暑さ対策を考えていきたい」と述べた。

販売などの予定は、現段階では未定。暑さを防ぐための対策としてはアナログな部類に入るといえそうだが、かぶるタイプの傘は、市販されているものもあるという。