横浜市神奈川区の京浜急行・神奈川新町近くの踏切で5日午前11時40分ごろ、下り快特電車(8両編成)とトラックが衝突した。

事故を起こしたトラックと運転手の男性を、発生前の午前11時半ごろに目撃した会社員男性(68)が報道各社の取材に応じた。男性は、事故を起こしたトラックが8~10トンくらいの大型のものだったとした上で、その車が踏切に侵入する前に通ってきた道は狭く「普通、横浜のトラックの運転手で、道を知っている人なら、通らない」と証言した。

男性は午前11時半ごろ、踏切近くの店で弁当を買い、店を出たところ、踏切の向こう側から大きなトラックが出てきたのを目撃したという。「あそこ(線路の反対側)から8~10トンくらいのトラックが出てきて、踏切沿いの細い道路に頭から斜めに突っ込んでいた」。男性は、トラックが通ってきたとみられる線路沿いの道について「誰が見ても、あんな狭い道に、そんな大きなトラックは入ってこない。曲がることが出来ないから。せいぜい、2~4トンくらいのトラックしか通ることは出来ない狭い道。何をやっているんだ、おかしいと思った」と語った。

その上で、男性は、細い道に頭から突っ込むように入ってきたトラックから、運転手の男性が降りてきたと振り返った。「運転手さんが車から降りてきた。そして後ろを確認していた。(線路に向かって右折する際)後ろに立っているブルーの標識が、トラックに当たるのか、確認していたのかもしれない」。その後、京急の駅員が出てきたと言い「若い人(駅員)が2人、線路を渡ってきて、少し話していた」と、トラックの運転手の男性と駅員が、トラックが踏切の前で曲がりきれない状況の中、何らかのやりとりをしていたと明かした。

その後、トラックはバックしたといい、男性は「(トラックが)どっちに行くか分からなかったけれど、僕は線路を渡って、トラックの脇を抜けて、涼しいところに行って食事をしていた」という。そして「そうしたら、京急の人が10人くらい走っていったから、異変に気付いたのでくるっと回ったら、線路から煙が出ていた」と振り返った。事故の瞬間は、昼食をとっていたので見ていなかった。

男性は「トラックの運転手の方は、大柄だった。亡くなったと聞いて、人間の命は、はかないものと思った。ショックです」と視線を下に落とした。【村上幸将】