新国立に約6万人「見やすくなった」も音響面に指摘

国立競技場

2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる国立競技場オープニングイベントが21日、華々しく行われ、5万9500人が楽しんだ。

新設のメリットを感じた観客もいた。東京都の男性会社員(50)は「Wi-Fi(ワイファイ)が速いのはいい」と最新設備を評価。一方、座席に関しては「座り心地は普通かな。競技場だから仕方ないけど、足もとは狭く席自体も狭い」と残念がった。寒さについては「あまり感じないが、逆に本番の暑さは大丈夫かと心配になる」と話した。

旧国立競技場公演を何度も観賞した嵐ファンも来場した。東京都の女性専門学生(19)は「見やすくなった」と評価も、座席の色を「メチャメチャオジサンぽい」との感想も加えた。東京都の男性会社員(38)は「屋根があるせいか、国立しか味わえなかった大勢の観客が入っている迫力がなくなった」と残念がった。

開演前、女性トイレの行列はほぼなく、すいていた。女性専門学生は「嵐のライブではいつも行列だったからビックリした」。埼玉県の女性会社員(52)も「前に比べ、広くて見やすくなった。何よりトイレの数が増えた気がする」と、トイレ混雑緩和を歓迎する声が多かった。寒さについても「寒いと評判で覚悟してきたが、そうでもなくてほっとした」と話した。

車いす利用者も多数訪れた。母親と来場した埼玉県の女子高生(16)は「フィールドに近いし、見やすい」と感激。気付いた点に「車いす用のトイレ」を挙げ「たくさんあるし、中も広くて使いやすいです」と歓迎した。付き添いの母親は「競技場に入ってからはスムーズでしたが、駐車場から入るまでにわずかな段差があって車いすがつまずきそうになった」と話した。

来年の大会終了後、競技場はライブ会場としての利用も期待される。都内在住の女性会社員(41)は「声がこもってしまい、トークや歌詞が聴きづらかった」と話すなど、音響面の改善を指摘する声も上がった。【近藤由美子】