静岡のアユは当たり年なのか? アユ釣りができる河川のほとんどは6月1日に解禁する。だが、静岡県ではひと足早く、20日に興津川、明日23日に狩野川が解禁を迎える。興津川では上流域が好調だった。狩野川も前評判は上々だ。それぞれの河川の様子をリポートする。

 興津川の今後は水温にかかっている。20日、全国から集結したアユファンは約1400人。思い思いの場所に散ったが、上流域に人気が集中した。八幡温泉が目印となる元沢橋にはサオの放列が並んだ。

 興津川に精通する地元アユ師、横山愛治さんは「昨年は上流でよく釣れたので、今年も同じ思いなんでしょう。流れの心から外れたトロ場をうまく狙えるか、そこが重要ですね」と解説した。

 清地エンテイでは40匹台がマークされ、サイズは16センチが最大だった。中河内川では17センチを筆頭に61匹を釣り上げた、という情報が届いた。

 釣りがスタートした時点での水温は15・4度だった。午前8時ごろには16・7度まで上がった。それでもアユは動かなかった。昼を過ぎて太陽がさらにまぶしくなり、水温も上昇した。午後2時、17度を突破して18度台になった。アユがヒットし始めた。

 同じような時刻、漁協前のポイントでもサオが上がった。水温はやはり18度台。この17度と18度の「静と動の境目」が、今後の判断基準になりそうだ。

 ▼問い合わせ 興津川「あこがれ亭」【電話】054・393・3814。興津川非出資漁協【電話】054・393・3894。日釣り券1500円(高校生以下、女性、身体障がい者は漁協で確認済み証を500円で発行。以後シーズン中は無料)、年券7000円、現場売り2500円。オトリは1匹600円。宿泊も可。HPは「興津川 あこがれ」で検索してください。

 今シーズン、期待されるのが明日23日に解禁をひかえる静岡東部を流れる狩野川だ。13日に試釣を実施した。フィッシングナビゲーター永浜いりあも2年連続で参加した。当日は、台風6号の通過直後で、強風が吹き荒れ、釣りにくい状況だった。

 26人が参加して、88匹を釣り上げた。サオを風にあおられて、苦戦したものの、いりあは3匹をきっちり掛け「狩野川のアユは力強いですね」とゴキゲン。

 最大は小川橋付近で釣れた20センチ(70グラム)のビッグサイズ。各所でハミ跡(石に付着したケイ藻類をアユが食べた跡)も目立っており、状況さえそろえば「釣れますね」と田口友次組合長も言葉に力を込めた。現在までに4・1トンを放流していて、今季は最終的に4・7トンを入れる予定だ。

 日刊釣りペン・クラブのアユと渓流のスペシャリスト、相吉孝顕さんは「石がきれいに見えるようになったら、いつでも気持ちよく釣れる状況になると思います。狙いとしては流心からちょっと外れた、トロ場の大きな石の裏などは絶好ポイントですね」と話した。狩野川漁協【電話】0558・72・5945。