条件がそろえば大型ヘラブナが期待できるこの季節。前夜からまとまった雨が降った16日、兵庫県三田市の「青野ダム」に釣行した。乗っ込み場に近い浅場のポイントで18尺、棚1・5メートルの両マッシュダンゴで挑み、ダム湖のヘラらしい強烈な引きを堪能。午前6時から午後6時までに、大助(40センチ以上)4匹を含む37センチ~44センチを6匹。大型ヘラに大満足の釣行となった。

 青野ダムに到着したのは午前5時半前。まだ雨が降り、霧が出て、いかにも大型が釣れそうな雰囲気だ。この時期は、産卵のため浅場に入ってくる乗っ込みも終わり、ヘラが散ってポイントを見極めるのが難しい。だが、暖かい日が続き、まとまった雨が降ると産卵しきれなかったヘラが再び浅場を意識する。釣り場に降り、湖面を見渡すとモジリが見える。期待しながら道具をセットする。

 サオは18尺、タナ1・5メートルの両マッシュダンゴの宙釣り。事前の情報で釣れている釣り方だ。水深は約3メートル。両ダンゴだとマブナなどの外道が寄るため、集魚力を少し抑えたマッシュベースのブレンドにした。大型狙いで大きめのハリに500円玉大のエサを付け、エサ打ちする。同6時に釣りを開始。ときどきエサを角ばらせて落下に変化を付けるが、アタリがない。3時間後の同9時、ようやくアタリが出たがカラツン。

 再びウキに変化が出たのは、雨もあがった同10時すぎ。沈みかけたトップが止まり、水面下に消えた。合わせるとグイグイと沖に走る。それをサオの胴で耐え、強烈な引きを堪能しながら取り込んだのは、37センチの良型ヘラだ。

 これを機にウキが動き始める。5分後、長いサワリの後にズバッとウキが引き込まれる。先の1匹より引きに重量感がある。水面に顔を出した後、何度も水面を走る。慎重にタモに収めたのは、44センチジャストの大助。感無量の1匹だ。さらに午後2時までウキが動き続け、39・2センチ~42・5センチの良型4匹を追加。カラツンが何度かあったが、ひと回りエサを小さく付けたり、手水を少し打つなどで対応した。

 その後、納竿の同6時まではマブナとニゴイの猛攻を受け夕方の時合は来なかったが、型、数、そして強烈な引きに大満足の1日となった。【日刊FPC・土屋直人】

 ◆エサ 「マッシュポテト(徳用)」2、「藻べら」1・5、「凄麩」1に、水3で50回ほど練り、500円玉ほどの大きさにして使用。計量カップは200cc。

 【今後の見通し】これから6月末まで、まとまった雨が降ったタイミングで水深3メートル前後の浅場で釣れるだろう。雨後の浅場は産卵シーズンから外れるため、小規模になるがハタキを目安にポイントを選びたい。夏に向けては中流~下流の深場がポイントになる。これから減水していくので入釣出来る場所は増えそうだ。

 【交通】大阪からは中国自動車道・吉川JCTで舞鶴若狭自動車道へ。三田西ICを出て、三田西インター前の信号を左折。県道92号を東へ走り、溝口の信号を右折。広野駅前交差点を左折。JR福知山線の踏切を越え、上井沢の信号を直進、同308号で青野ダム(千丈寺湖)へ。