夏のイカダは「ビックリ箱」だ。24日、福井県高浜町の内浦湾にある「釣船釣宿由幸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で、早朝からイカダに渡った。アジを狙いサビキ仕掛けで挑んだが、アジだけでなく小グレ、サンバソウ、ウマヅラなど7種の魚が釣れた。昼までの約6時間半で、アジは16~21センチを54匹。グレは15~25センチを7匹など、それぞれの引き味も違い楽しめた。夏休み、家族連れのイカダ釣りも面白い。

 何が釣れるか分からない。夏のイカダのサビキ釣りは、そんなドキドキにあふれている。午前5時すぎに「カマエダのイカダ」に乗った。狙いはアジだ。市販のサビキ仕掛けを用意し、ロケットカゴにアミエビを詰め同5時半に釣りをスタート。仕掛けを底まで落とし、着底を確認したら少し上げ、サオを上下させてアミエビを出す。すると、アジの食いにサオ先が反応。軽く合わせ釣り上げたのは17センチの小アジ。第1投からヒットするとうれしい。

 その後もポツポツ釣れるが、いずれも単発。ペースが上がらないなと思っていると、明確なアタリが出た。連で来るのを期待してリールのハンドルを巻く。2連であがってきたのは、アジじゃなくメッキだった。

 同7時半ごろ、アジとは違うアタリ。引きも強い。姿を見せたのは20センチ級のサンバソウだ。さらにその10分後、サオ先を上げるとなんともいえない重量感。今度は何だ? と引き上げると、25センチ良型のウマヅラハギ。ついツーショット自撮りしてしまった。

 潮が止まった同8時ごろからアタリが遠のく。アジは20匹。いずれも20センチ足らずだが、もうちょっと釣りたいなあ、とサオを動かしていると“ガツン”というアタリ。グイグイと絞り込む。サオが半円を描いて曲がる。こりゃまた別の魚だ。釣り上げたのは、25センチのグレだった。

 1時間ほどで潮が動きだし、魚の活性も上がる。仕掛けを入れれば食ってきて、17センチの小ダイや小サバもヒット。釣った魚は計7種。アジも50匹超え。内浦湾の魚影の濃さを実感し、満足して正午に納竿とした。

 さまざまな獲物が釣れるのは、特に子どもたちにはビックリ箱のような面白さだろう。家族連れにも楽しめるイカダ釣り。夏休みにいかが?【高垣誠】

 【今後の見通し】イカダはチヌ狙いの人も多いが、アジは9月末ごろまで楽しめる。群が入ってくれば20数センチの良型も期待できる。カマスなども釣れる。また、石ゴカイなどをエサにした投げ込み仕掛けでカサゴやキス、カレイが狙える。

 【問い合わせ】釣船釣宿由幸【電話】0770・76・1307。イカダの渡船料金は3500円。出船は午前5時、納竿は午後4時。フグ料理などが自慢の旅館では、イカダ釣りがセットになった宿泊プランも用意されており、8月の後半は予約に空きもある。

 【交通】舞鶴若狭自動車道の舞鶴東ICを出て京都府道28号を北上し、小倉の信号を右折。国道27号に入り、鹿原の信号を左折。同府道772号、福井県道21号を経由し、看板の案内に従い釣船釣宿由幸へ。