ヘラブナ釣りを始めたいという釣り初心者や釣りファンに、ヘラ釣り歴48年の名手・藤井秀和氏がやさしく手ほどきする「藤井秀和のヘラブナ釣り講座」(全5回予定)がスタートします。長年、子供釣り教室などに携わってきた藤井氏の解説で、ヘラブナ釣りの魅力に触れてみましょう。第1回は、サオ、ウキ、糸など、ヘラ釣りに必要な道具や、これがあれば便利というグッズ、また釣り場での服装などについて紹介します。(取材協力・茨木新池)

 ヘラブナ釣りは難しいと思われていますが、そんなことはありません。この連載でヘラ釣りの楽しさを知り、ぜひ実際に釣ってほしいと思います。釣り場は管理池や野池、川、ダム湖などさまざまで、釣り方も多種多様ですが、この連載では、管理池での底釣りを前提に解説していきます。

 まず、道具の選び方です。道具類は何度も使うので、丈夫で長持ちするものを選びましょう。

 サオ 管理池が基本なので、その池の水深にもよりますが、長さは7尺(約2・1メートル)~10尺(約3メートル)前後がお薦めです。ヘラザオは6尺~30尺くらいまでありますが、長いサオは初心者には少し扱いが難しいので、短ザオなら振り込みしやすく、操作が割と簡単にできます。素材は竹、グラスロッドのものなどがありますが、カーボン製が軽く丈夫で使いやすいでしょう。価格はさまざまですが、メーカーのものであれば保証もあり安心です。

 サオ掛け 文字通りサオを掛ける道具で、エサを投入した後、サオを置いてアタリを待つのと、エサを付ける時に使用します。

 タモ 魚がかかり取り込む時、すくう網がタモで、これに柄が必要です。管理池によっては常備している所もあります。タモ置きもあると便利です。

 ウキ 魚からの反応やアタリ、水中の様子を伝える役目があります。釣るタナにもよりますが、全長10~20センチぐらいのもので、比較的使いやすいパイプトップが付いているものが良いでしょう。

 糸 「道糸」と「ハリス」があり、道糸はサオ先に装着しサオの手尻手前くらいまで伸ばし、途中にウキゴムを入れたあと、ジョイント(サルカンなどを装着)し、そこから2本のハリスとハリを付けます。現在の道糸やハリスは丈夫に出来ていますので、釣具店に行って、ヘラ用の物を購入すればOK。釣り場の魚の型や釣り方によっても違いますが、道糸は0・8~1・2号、ハリスは0・4~0・6号くらいがいいでしょう。

 ハリ 時期や魚の大きさにもよりますが、3~6号があれば十分でしょう。

 その他 底釣りをするには底までの深さの目印が必要となりますのでトンボ(木綿糸)や、ウキのバランスを取るための板オモリ、糸を切ったり板オモリをカットするためのハサミは必要です。また、エサを入れるボウル(洗面器など)や計量カップ、座布団、タオル、下に敷くシートなどがあれば便利です。それと底を取るタナ取りゴムや仕掛け巻きがそろえば、後はエサがあればOKです。

 管理池の桟橋は固定桟橋や浮桟橋などがあり、水の上に設置された桟橋の上に長時間座るので冷えますし、風が吹きつけることもあります。温かく、動きやすい服装を心掛けましょう。夏には日よけのパラソルなども必要になります。

 ◆藤井秀和(ふじい・ひでかず)1956年(昭31)1月29日、大阪府茨木市生まれ、同市在住。ヘラブナ釣り歴48年。がまかつフィールドテスター、東レフィールドスタッフ、マルキユーアドバイザー。「へら研阪神クラブ」「チームトライ」所属。管理池のホームグラウンドは「茨木新池」。また加古川などの川、ダム湖、野池での釣りを得意とする。