キハダに勝ったぜ! “アニキ”こと俳優哀川翔(56)が22・6キロのキハダマグロを仕留めた。キハダ&カツオで盛り上がる相模湾・小田原「弘美丸」から6日、エサコマセ船で出漁した。今回はボートレーサー毒島誠(33)とタッグを組んで臨み、なんと毒島も生涯初のキハダマグロを釣り上げた。
やってきたぜ、小田原。待ちに待ったリベンジの船出だ。思えば1年前、コマセのキハダマグロ船に乗ったんだ。釣果なし、ボウズだった。大きなシイラは釣ったが、本命じゃない。ヘトヘトで悔しさが残った。あれから1年。必ず釣るぜ。
1年前もお世話になった、グローブライド(ダイワ)の田渕雅生さんに手伝ってもらった。そりゃそうだろう。オレも悔しいけど、田渕さんだってあの日のことは忘れられないはずだ。申し訳ないが、今回も付き合ってもらった。ありがたい限りだ。
ハリスは24号-えっ、そんな太いのか?
小田原早川港「弘美丸」の湯川幸次船長は「24号だとかなり強引にやりとりしても大丈夫。それ以下だと、ドラグをかなり調整しないといけない。誰のサオにキハダが入るか、そんなことは分からないけど、ハリスが24号なら間違いなく掛かれば釣れますよ」と話してくれた。ガッチリ24号で、いざ勝負だ。燃えてきたぜ。
今回は、相棒がいる。ボートレーサーの毒島誠選手だ。何でも群馬県出身で、子どものころからルアーでブラックバス釣りをしていたそうだ。「海なし県だから海にあこがれるんスよ」と、実にさわやかで明るい。釣りの好きな人間には悪いヤツはいない。毒島には今回初めて会うけど、こういう気持ちのいい男とは、また釣りに行きたいね。
毒島にも、マグロリベンジの理由があった。今年7月にルアーのジギングで相模湾に出撃したという。3回アタリがあって、1回はすっぽ抜けで、2回バラしたという。仲間から釣れたマグロをちょっともらったら、4歳の娘にこう言われたそうだ。
「パパはマグロを釣りにいっても、もらってくるだけなんでしょ?」
娘、けなげだな。ただ、毒島はややショックだったようで「今回は、必ず釣って、マグロはもらう魚じゃないことを娘にみせてやる」と力が入っている。よし、釣るぞ、毒島、釣るぞ。
今、キハダの現場は三浦半島の城ケ島の見えるエリアだ。平日でも100隻以上が集まっている。キハダがかかると、その船は黄色や赤の回転灯のスイッチを入れる。他船は「ああ、釣れたか。悔しいけどオマツリしないように距離をおくか」ということになる。船長だって誇らしいだろう。この日は、その回転灯がスタートからずっと回っていた。いるよ、キハダが。
弘美丸で最初に掛けたのは、なんと毒島だった。「ちょっと気を抜いたらサオ先がビュンビュン、って。エサのマグロも面白いですね」ともうニコニコだ。23・4キロ。立派だ。
2匹目は逆の左舷にいた、内山孝さんで8回目にして初のキハダだそうだ。ちょうど24キロだ。中には5年通っても釣れない人もいる。キハダの道は簡単じゃないね。
そんなオレにもきた。隣にヘアメークのぶちゃんが、仕掛けを引き揚げるときにシイラを表層で掛けた。オマツリをしちまった。ほどいた直後にガツン。シイラがいい誘いになったな。22・6キロ。いいキハダだ。ふふ、漬け丼にして食ってやるぜ! 田渕さんには感謝してる。毒島も頑張ったな。いい釣行になった。このキハダ、11月まで続くという。また、行っちゃうか!