季節が秋から冬へと変わっていく時期になると、四国東南部のサーフにヒラスズキが回遊し始める。先日、まだちょっと早いかと思いながらも、室戸市の尾崎海岸へ釣行してみると予想外のグッドサイズがヒット。潮が下げだして流れが強まるタイミングに78センチをキャッチすることが出来た。魚のコンディションは抜群に良く、重量感たっぷりのパワーファイトを楽しんだ。

 午後8時すぎ、尾崎海岸に到着。状況は満潮から下げに入っていて、波高は2メートル弱。北東の風が吹き続いているため、海はやや濁り気味。ちょっと厳しいかなという微妙な条件だった。

 まずは尾崎川の流れ込み辺りでキャストを始めると潮流は右へ流れており、いい感じ。濁りを考慮し、ルアーのカラーはアピール度の高いチャート系を選択。北寄りに投げながら進み、潮のきいたところで足を止めてキャストを繰り返す。

 だが、なかなか反応がない。ヒラがまだ回遊していないのかと不安がよぎるが、約100メートル歩を進めると勢いがある絶好の離岸流を発見。ここならヒラが回遊してくると直感。ルアーを交換しながらキャストを繰り返すと10分ほどしたときにコンコンとショートバイトがきた。

 チャート系のルアーに反応したので、同系色のルアーをローテーションしてアピールするが、反応が続かない。そうこうしていると、潮が下がってきて波高がやや上がってきた。波高が上がるということは、潮がそれだけきいているということでヒット率も高まる。

 チャンスとばかりにルアーをパール系に交換。キャストし、離岸流でステイ(止めること)させるとゴツンと明確なアタリ。フッキングを入れるとヒット。激しいエラ洗いで抵抗され、波に乗って突っ込む引きは重量感たっぷり。

 潮流に乗って左へ走りだす動きに合わせながら立ち位置を変えてファイトするがなかなかの好ファイターで暴れ回る。バラしたくないので慎重に引き寄せ、寄せ波を待って砂浜にずり上げたのはブリブリの78センチ。満足サイズだった。その後も、キャストを続けたが、反応はなく午後11時すぎに納竿。シーズンを先取りしたグッドサイズに出合うことができ、今シーズンに期待が膨らむ釣行だった。 【日刊FPC・長井淳】

 【今後の見通し】四国東南部のヒラスズキゲームは西高東低の冬型の気圧配置になり、海が穏やかになると本格的なシーズンを迎える。水温が現在、23度前後で推移しているが、20度ぐらいになると数、型ともに期待できる。ほかにも徳島海陽町の網代崎が狙い目。

 【交通】徳島市から国道55号を南下。阿南市、海陽町を経て、高知県に入り、室戸市の佐喜浜漁港をすぎたところに尾崎海岸がある。