初心者でも安心して、じっくりできる海釣り、ってないかなぁ~。あります、あるんです! 静岡・西伊豆の戸田「たか丸」(野田孝船長)では、戸田港に浮かぶ係留船に“渡船”して、自由に釣りができる。しかも、午前6時から午後4時まで時間内なら2500円とコストパフォーマンスも高いぞ。ヘラブナ道場のイラストリポートでおなじみの「ハットリ」こと服部紫野さんが係留船でのイナダ釣りにチャレンジした。

 こんにちは、ハットリです。いつもヘラブナ道場では読者のみなさんにお世話になってまーす。

 道場の関川康夫師範代には「いいか、ハットリ。ヘラの極意は、他魚にあり、だ。いろんな釣りから学ぶ姿勢は大事だぞ」と、常々忠告されていて、同じ淡水魚のワカサギや、海のマダイやエギを投げるアオリイカなども狙ってみました。確かに今まで見えなかった釣りの奥深さと、ヘラにも通じる極意のようなものも感じました。

 そこで、西伊豆の戸田に面白い釣りがあると小耳に挟んでしまいました。

 係留船。

 戸田港の中にロープでつながれた釣り船があって、そこで釣りをするんです。えっ、その船は動きません。あー、正確にはロープ1本でつながれているので、風向きや潮の流れでぐるぐるコンパスのように回りますけど…でも、港の中で釣りをするので、波も高くないし、船着き場から「動く船」に乗って係留船まで乗船時間は2分ぐらい。ほぼ、沖磯に行く渡船のような感覚なんです。

 港の中、って魚いるの?

 野田船長は「ここはよ、外海から魚が目まぐるしく群れが入ってるんだ。今なら丸々と太ったイナダ、引きの鋭いカンパチ、40センチ前後のアジ、ホンガツオにも負けねぇヒラソウダ。もう、いくらでも釣ってちょーだい。ワッハハハ」と豪快だ。こりゃ、楽しみです。

 さて、今回のメインターゲットはイナダ。スタイルは、片天ビンに40号のコマセカゴを付けたライトタックルです。

 アジ釣りに使う胴調子のサオで大丈夫です。取り込みのときに両手を使いたいからロッドキーパーはあった方がいいかも。仕掛けは、50センチのクッションゴムから全長6メートル。ハリスはしっかりと5号で、ハリは2本にしましょうか…って、全部タコボウズ記者の受け売りですけどね(笑い)。

 ハットリ、静岡・三島市の出身なんです。でも、戸田は初めて。もう、びっくりです。海がきれい…ため息が出そう。残念ながら、実釣日は8日の小雨で、富士山を望む絶景はお預けでした。あー、見たかったなぁ。でも、いいんです、次回来るときの楽しみが増えました。絶対、富士山、見てやる!

 野田船長の操る“渡し船”に乗って、約2分。まさかの現場到着です。本当だったんだ。出発した船着き場が見えます。こんな近くなのに、港の中なのに釣れるんだ。不思議ー。

 使うエサは、アミコマセとオキアミをブレンドして、コマセカゴに入れます。付けエサは、コマセカゴに入れるオキアミを使うんです。コマセの煙幕ができて、浮遊するオキアミとハリに刺したオキアミが同調するんですね。これは、イナダも思わず食べちゃいますよね。何か、釣れる気しかしない。頑張るぞー!

 でも…でも、この日はイナダの機嫌がよくない。同乗した、「海なし県」の埼玉から来たご夫婦は、係留船が初体験。カンパチも含めてイナダを10匹以上釣ったダンナさんは「先週、貸しボートで釣りをして、係留船の存在を知りました。これは広いからいい。トイレも付いているしカミさんと一緒でも安心ですわ」とニコニコ。お姉さん(奥さま)も釣り自体が初めてだったけど、アジを釣って丸々太ったイナダも釣って「もう釣りにハマりそう」と大喜びでした。

 ハットリは3匹のイナダを釣りました。もうね、強烈な引きをじっくり味わいました。水深35メートル前後で、タナ(魚の泳層)は海面から30メートル。コマセを振って、このタナに合わせるだけで釣れちゃいます。すげぇ楽しい。もう、つぎの予定を立てちゃいますよ。初心者やビギナーさんにはオススメですけど、最初に来る場合は、釣りに慣れた人と一緒にくると、すごく楽しめると思いまーす。

 (ヘラブナ道場第2期門下生・服部紫野)

 ▼船 戸田「たか丸」【電話】0558・94・3214。係留船は朝一番便は午前6時。以後は、港に到着次第、係留船に渡す方式。午後4時まで。料金は時間内であれば1人2500円。季節によって対象魚と釣り道具が変化してくるので、必ず、電話で確認してください。アミコマセ500円、付けエサのオキアミ500円、貸しザオ300円。