友釣りが解禁された翌日の5月27日、美しい野アユを求めて和歌山・日置川の上流へ出掛けた。太陽が照りつける午後から、五味地区にある「宮ノ平」に入った。朝から多くの人が竿を出した浅瀬は避け、水深があって波立ちのあるトロ瀬を太糸の上飛ばしで攻めると入れ掛かり。夕方には12連続の活発な追いを堪能し午後4時半までに16~19・5センチを29匹追わせた。【日刊FPC・井上富博】

 水温の上がったタイミングのポイント選び、攻め方がうまくマッチした! 太陽が昇りきった正午ごろ、五味地区にある「宮ノ平」の中段へ入った。瀬に縄張りを持つ、活性が高いアユは午前中に釣られてしまったはず。波立ちがあって水深のあるトロ瀬を狙った。

 太めのフロロカーボンを使った泳がせ釣りで攻める。追いが渋いだろうと思い、ゆっくりオトリを上らせるといきなり野アユが好反応。水中でギラリと光り、目印が上流へ吹っ飛んだ。

 予想外の早い当たりにびっくり。泳ぎ回る野アユをていねいにあしらい、引き抜いたのは追い星が2つあるやる気満々の18センチだった。すぐにオトリを交換。オトリまかせで泳がせるとまたもや勢いよく目印が走り、入れ掛かり。同じ立ち位置からの上飛ばしで18センチ級が9連チャンで掛かった。

 どのアユもよく肥えていて元気いっぱい。コンディションがいい美形ぞろいだ。ポイントが大きく空いてるので、追い気のあるアユばかりをとる感覚で段々瀬を釣り下がる。だが、良さそうなポイントでは1匹は掛かるが、連発しない。やはり、浅くて釣りやすい瀬は魚が薄いようだ。300メートルほど下流の瀬肩まで探り16~18センチを6匹追加したところで再び上流へ。

 最初のポイントよりも30メートル上の瀬肩の鏡につきアユを見つけるが、人の気配を感じると波立ちのトロ瀬へ逃げ込んでしまった。深みがある波立ちのトロ瀬、最初のヒットパターンか!?

 もしやと思い、上飛ばしで攻めると夕食(は)みの時間とも重なって怒とうの入れ掛かり。30分で12匹。しかも19センチ前後の良型ばかり。中には、追い星が3つもある真っ黄色な野アユも。最後にオトリが次々に替わる高回転の友釣りを堪能し、満足した午後4時半ごろ、オトリ込み29匹で終了した。今シーズンも上々のスタートをきることができた。

 【今後の見通し】ダムの上流は、安定した釣果が期待できる前の川がお薦め。20センチ級の人工産がよく釣れている。増水にも強く、水が引くのも早いので、梅雨の時期でも楽しめる。終盤には尺アユも期待できる。ダムの下流は天然そ上が、すこぶる多く、アユの姿がたくさん見える。本番は梅雨明けから。数釣りにかなりの期待がもてそうだ。

 【問い合わせ】「森のお宿」【電話】0739・54・0345。年券1万800円、日券3240円。

 【交通】阪和自動車道の南紀田辺ICを出て国道42号を南下。上富田町から同311号に入り、本宮方面へ。鮎川新橋を渡り、県道221号で合川ダムを経由し、国道371号で前ノ川へ。田辺から約1時間。

 「森のお宿」へは紀勢自動車道の上富田ICを出て、国道42号を南下し、朝来を左折。県道36号に入り、玉伝口の三差路を右へ入り日置川・森のお宿へ。朝来から約25分。