5年ぶりにサオを握って優勝をもぎ取った。2018日刊スポーツ・フィッシング・サーキット、ヘラブナ釣りグランドチャンピオン決勝大会(以降、日刊グラチャン決勝)が1日、山梨・西湖「樹海荘」を本部にして、4地区を勝ち上がった20人に昨年覇者をシード選手として加えた計21人が、総重量審査で競った。三島湖代表の高山政弘さん(57=荒川区)が14・2キロ(26匹)で決勝初参加で初優勝を成し遂げた。

波乱の決勝となった。日刊グラチャン決勝は、予選参加地区は5地区で実施されている。ところが、今年は台風の影響で山梨・精進湖予選が開催断念で、4地区を勝ち上がってきた20人と昨年覇者の松岡秀行さん(46=川崎市)が加わって計21人で2018年の覇権が競われた。

初優勝は高山さん。仕事が忙しく、この5年間、サオを握ることができなかった。その仕事が一段落つき、今年8月から釣りを再開した。「釣りをしていなかった5年はユーチューブを観賞して、ヘラとの勝負を忘れないイメージトレーニングをしていた」と気持ちだけは切らさずに過ごしていたという。

日刊グラチャン決勝には初出場になる。普段は三島湖を本拠にしているが、西湖も対策をバッチリ講じていた。決勝前日の試釣では21尺のサオを使ったが、風向きが逆になったことを考慮して17尺から始めて、すぐに14尺に切り替えて、テンポよく釣っていた。

高山さん エサも開いてしまうと西湖は透明度が高いのでダメ。「軽粘」「ガッテン」「マッハ」「BB」をそれぞれ1・2・1・1をかき混ぜすぎずにさっくりとした軟らかさにしてみました。

終始ポツポツとアタリを拾って、最終的には26匹を釣り上げた。釣れるイメージを持ち続けた心のゆとりが焦りを消した。初出場とは思えない落ち着きで安定した釣りができた。

準優勝の雨宮さんは「ハリスを20本替えた。その分だけの20匹。24尺で始めて最終的には18尺のサオで落ち着いた」と振り返った。3位の後藤さんは「サオは24尺のチョーチン。いろいろやりました。両ダンゴ、ヒゲトロ、オカメ…エサを替えるごとに釣れたけど同じでは続かない。疲れた。でも、うれしい」と笑顔をみせた。

高山さんは「賞品でいただいた『スゴ麩』はあんまりつかったことがない。研究してみます」とパッケージをみつめて、すでに心は次の釣行に飛んでいた。【寺沢卓】