元モデルの歯学博士・照山裕子さんが、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q ホワイトニングに興味がありますが、男がすることに抵抗感もあります。ホワイトニングの現状はどうなのでしょうか。

 A 歯は加齢によって黄ばんできます。歯の表面のエナメル質は半透明ですが、中の象牙質は黄ばんでいます。年を取ると、外部の刺激から歯を守るため象牙質が厚くなり、黄ばみが強くなります。

 ホワイトニングは(1)活性酸素が歯の着色汚れを分解する(2)活性酸素がエナメル質を変性させる-という2つのメカニズムからなります。(2)は半透明のエナメル質を曇りガラスのようにして、中の象牙質を隠すイメージです。

 歯科医院で歯の表面にホワイトニング剤を塗り、光を照射することで急激な反応を起こすオフィスホワイトニング、自分の歯型に合わせたマウスピースを装着してホワイトニング剤をつけるホームホワイトニングの2つがあり、組み合わせると、長持ちします。

 ただ、さまざまな問題も起こっています。(1)ネットで買うなど歯に合っていないマウスピースをつけている(2)ホワイトニング剤の濃度がその人の歯に合っていない(3)セルフホワイトニングといってエステがライトだけ置いて、客に自分でホワイトニング剤を塗らせ、光を照射させる-ホワイトニング剤の濃度が強すぎたり使用頻度を間違えると、歯が欠けたり折れたりする事故を起こす可能性があります。マウスピースが合っていないと、液が漏れて歯茎がただれることもあります。

 料金は、薬剤、回数によって差がありますが、3万~5万円くらいでしょうか。男性は3割ほどです。年配の男性が意外と多く、特にインプラントが終わり、「どの色のセラミックで歯を作りましょうか」と色見本を見せたとき、自分の歯の色が黄色いことに気付き、せっかく作るんだからとホワイトニングをするケースが目立ちます。

 エナメル質の表面がザラザラしている、エナメル質が弱いなど、向いていない人もいます。始める前に診察を受けること、自己流は避けることです。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。