2017年10月7日、平成生まれとして初のG1ウイナーが誕生しました。大村ボート開設65周年記念海の王者決定戦でその快挙を成し遂げたのは、デビューして3年5カ月の羽野直也選手(22=福岡、114期)。

レース終わりに駆けつけてくれた羽野直也選手。アイドル顔負けのさわやかな笑顔でした
レース終わりに駆けつけてくれた羽野直也選手。アイドル顔負けのさわやかな笑顔でした

 デビュー初優勝が昨年7月の芦屋のシリーズですから、その成長ぶりに、福岡の先輩方からの「早すぎるやろ」といううれしいツッコミがあったのもうなずけます。

 前検から「結構ポテンシャルあって、乗ってみたら思ったより力強い」という手応えを感じたエンジンだったようですが、本人はG1自体が4節目だったということもあって「“とりあえず慣れること”。どう戦おうじゃなく、余計なことは何も考えずにいつも通りいこう」という気持ちで優勝戦まで進んだそうです。

 そうして臨んだ優勝戦も、一般戦の優勝戦と変わらない気持ちでいけたという羽野選手。ゴール前でペコリと頭を下げたことに関しては「(お辞儀は)ファンの方だったり、関係者だったり、いろいろに対しての“ありがとう”だった」といいます。

大村ボート海の王者決定戦で優勝した羽野選手(右)。植木通彦・日本モーターボート競走会特命理事からトロフィーを手渡されて笑顔です
大村ボート海の王者決定戦で優勝した羽野選手(右)。植木通彦・日本モーターボート競走会特命理事からトロフィーを手渡されて笑顔です

 やわらかでお行儀良くって、感謝の気持ちを素直に表せる好青年。今回の取材でも、レース終わりに駆けつけてくれた羽野選手に「おめでとうございます」と伝えると「ありがとうございます!!」とアイドル顔負けのスマイルを見せてくれたのですが、G1制覇後の話になると、まるで自分にも言い聞かせるように「何も変化はありません」と強くしっかりとした表情に変わりました。

 平成生まれ初のG1制覇についても「めっちゃうれしいけどプレッシャーにもなるんで、それを越えていけたらもっと強くなると思うんです。もちろん、デビューしてからちょっとずつは変わっていってるんで、その変化を大事にして、日々進化していきたい」とのこと。

 普段は、おうちのソファが大好きというほんわかした雰囲気の羽野選手ですが、レーサーとしての強さを見せてくれる瞬間は凜(りん)としていてとても奇麗でした。

羽野直也選手がG1優勝を飾った、大村ボート海の王者決定戦のトロフィー
羽野直也選手がG1優勝を飾った、大村ボート海の王者決定戦のトロフィー

 初のSG出場が濃厚な、住之江でのグランプリシリーズ戦に向けても「今は楽しみで仕方ない」といいます。「根拠のない自信ですけど、G1でも学べることがいっぱいあったので、今はSGを経験して、もっと知りたいんです」。初めはただ“かっこいい”から始まったボートの奥深さを知って、やりがいを感じているといいます。

 「最終日まで、あきらめないレースをするところを見といてください」と天使の笑顔でファンの方へのメッセージを送ってくれました。

 
 

 同じ福岡県・嘉穂東高校の出身で、野球部の先輩でもある瓜生正義選手(41=福岡)とレースで一緒になった時、「1着取ったりすると『さすが(嘉穂)東出身や!』と言ってもらえたりするんです」とうれしそうに話してくれた羽野選手。

 瓜生選手も羽野選手について「おごった様子もないし、素直な感じできているし、いいもの持ってると思いますよ」とそのレースセンスもしっかりと認めていました。

 
 

 12月6日から芦屋ボートで開設65周年記念G1全日本王座決定戦が行われます。もちろん、羽野選手も出場します。冬の超熱戦にご期待ください!!

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