2019年、最初にご紹介するのは宮崎県田野町(現在は宮崎市)出身の松崎祐太郎選手(31=福岡支部)。これまでに育休を2回も取ったすてきなイクメンレーサーなんです。

長女・梨里(りり=4カ月)ちゃんを抱っこする松崎祐太郎選手と、左から次男・日向(ひゅうが=2)君、長男・太陽(たいよう=6)君
長女・梨里(りり=4カ月)ちゃんを抱っこする松崎祐太郎選手と、左から次男・日向(ひゅうが=2)君、長男・太陽(たいよう=6)君

子供の頃、時々お父様についてボートピア高城(現BTS高城)に行っていたという松崎選手。でも、ボートレーサーを目指したきっかけを尋ねると「何でですかねぇ。高3の頃、普通のサラリーマンとかは頭になくて、たまたま置いてあったボートレーサー募集のパンフレットを見て、それからじゃないですかねぇ」と就活の1つとして考えていたという意外な答えが返ってきました。

そのまま試験も一発で合格し、春から入学となったやまと学校(現ボートレーサー養成所)での生活も「4日ぐらいできついなと思いました」とのこと。その理由も「規則正しく生活するのがたぶん苦手なんでしょうねぇ」と冗談っぽく笑います。

それでも「入ったからには卒業する! って気持ちでいたんで…」という決意の通り、無事にやまと学校を卒業し、デビューから約1カ月後には水神祭も挙げました。

ただ、その初1着についても「覚えてますよ。もちろん、うれしかったですけど、(1着)取りたいっていうのはそんなに強くなくって、まぁそのうち取れるやろうくらいの感じでした」という淡々とした答え。なんと、初優勝も「あ、優勝した。みたいな感じでした。ホッとしたとかもなく、普通にレースしてて、気付いたら優勝戦で先頭走ってたみたいな(笑い)」と振り返ります。

昨年SG出場も果たし、成績も上向いてきていることにも「ちょっとずつ上がってきてるなぁとは思うんですけど、僕としては、ただ慣れてきてるのかなぁというか、経験という言葉が合ってるのか分からないけど、その経験値が上がってきてるのかなぁっていうくらいの感じです」との答えにも驚かされます。

「もともと、あまり感情の起伏が少ないというか、うれしくてもそんなに大きくは喜べないんですよ。うれしいんですけど、あんまり表に出ないんですよねぇ」と話してくれたそのゆっくりとした間合いと、うそのない穏やかなしゃべり方に、シャイな松崎選手を感じることができました。

左から奥様の未緒(みお)さん、長女・梨里(りり=4カ月)ちゃん、次男・日向(ひゅうが=2)君、長男・太陽(たいよう=6)君
左から奥様の未緒(みお)さん、長女・梨里(りり=4カ月)ちゃん、次男・日向(ひゅうが=2)君、長男・太陽(たいよう=6)君

そんな松崎選手が、最初に育休を取ったのが2人目のお子さんが生まれる時。当時、早期に記念レースのあっ旋が入っていたためにあっ旋課に診断書を提出し、正式な辞退の手続きを取って育児休暇がスタートしました。

朝、上のお子さんを起こすところから始まって、朝食を取らせて着替えさせ、幼稚園へ送っていってからお迎えまでの間に洗濯などの家事をこなす毎日に、「休んでる間に普段僕がしないことをして分かったんですけど、これを1人でやってくれている奥さんに、子供を産んでくれたこと、育ててくれていることに本当にありがとうですね」という感謝の言葉も忘れません。

結果的にそれぞれ約1カ月ほどの育児休暇となりましたが、「最初の時、長男はまだ4歳だったし幼稚園もあるし…当然というか普通のことと思ってました」とさらりと答えてくれた通り、3人目のお子さんが生まれる時にも迷いは全くなかったと言います。

「今しかない貴重な時間を一緒に過ごせたし、僕にとって家族が一番。家族の存在があるから頑張れるんで!」とはっきりと伝えてくれたその言葉に、家族が増えてパワーアップした松崎選手のレースがさらに楽しみになりました。

 
 

奥様の未緒(みお)さんに育休のことをうかがうと「私が必要なくらいは休むよって自分から言ってくれて、本当にすごくありがたいって思いました」とのこと。「頼れる旦那様ですね」と私が言うと「あー、それはすごく!! 男らしいというか、「大丈夫!」って言えば大丈夫なんだって信じられるくらいに」と明るい声で答えてくれました。