競輪を統括するJKAが19日、福島・いわき平競輪場で「競輪の補助事業交付式」を行った。

 競輪の補助事業は、これまでも身体障害者の補助犬への理解を深める啓発活動、バリアフリー対応の検診車など福祉活動はもちろん、ものづくり支援などにも使われている。町中にある施設や、移動検診車に競輪の二輪のマークが付いているのを見たことがある方も多いだろう。売り上げの一部は社会貢献にも役立てられている。

 式には、いわき市の清水敏男市長ら関係者が参列した。移動検診車や、介護入浴装置の配備、訪問入浴車の配備などが決まっており、市内や近隣の町村の施設や学校へと送られることになった。

競輪の補助事業交付式に出席した新田祐大(右から3人目)と深谷知広(同2人目)
競輪の補助事業交付式に出席した新田祐大(右から3人目)と深谷知広(同2人目)

 競輪界からは新田祐大(32=福島)と、深谷知広(28=愛知)も参列した。2人はいま、競輪界のトップレーサーであると同時に、東京五輪を目指すナショナルチームのメンバーとして日本を代表する選手だ。新田は個人としても幼稚園や学校訪問なども行っている。深谷も震災があった熊本での被災地での支援活動を行うなど積極的だ。

 新田は式典で「公営競技の中でオリンピック種目にあるものは競輪であること、また競輪を走ることが社会貢献につながることの両方を、私たち競輪選手は発信していきたい。競輪選手としても自転車競技の日本代表選手としても、社会貢献につながるように頑張っていきたい」と話した。

 深谷も「日本の競輪選手として交付式に参列した。競輪選手として社会に貢献できたことを実感できてうれしい。補助事業と関わりのある自転車と競輪の両方で活躍できるよう、一生懸命頑張る」と決意を新たにしていた。

 日本が生んだ世界のスポーツ競輪は、ファンのため、選手自身の夢のためであることはもちろんのこと、地域や社会貢献にも還元されている。