<国際親善試合:日本0-2スイス>◇8日◇スイス・ルガノ

 今のままなら、ワールドカップは黒星3つで終わる-。引き分けすら難しい-。日刊スポーツ評論家の秋田豊氏(47)は、スタメンの大幅な入れ替えを主張した。スイス戦のスタメンから、本田や長谷部ら6人、さらに4バックから3バックへの転換を提案した。決勝トーナメントへのいばらの道。日本をそこに導くのは、西野監督の決断力と、みた。

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 西野監督は、ガーナ戦とスイス戦のスタメンを中心にメンバー構成を考えているようだが、このままでは勝ち点1も難しい。この時期だから、あえて厳しいことを言うが、スイス戦のスタメンから6人は入れ替える必要がある。本田→柴崎、長谷部→山口、槙野→昌子、川島→中村、宇佐美→乾、酒井高→植田に代え、3バックで戦った方が、わずかながら勝ち点を取る可能性は上がるのではないだろうか。

 先制点を許した場面。吉田のファウルだけが目立ったが、実はその前のプレーで酒井高があっさりかわされ、相手をスピードに乗せたことが一番の原因だ。酒井高は、ほかにも相手CK時にマークを外すなど、大きなミスが目立つ。相手のFKミスで失点にはならなかったが、槙野はガーナ戦に続き、この日もペナルティーエリア近くでファウルしているし、クロスに対する守備にも課題がある。

 長谷部は運動量が少ない分、中盤で守備の組織が崩れることがあり、大島の攻撃力も生きない。本田はシュートの決定力が落ちている。川島は致命的なミスがあったし、宇佐美は攻撃で特別な存在でないといけないが、それを感じさせるプレーはなかった。

 攻守の切り替えが課題と言われるが、いい攻撃は間違いなくいい守備から生まれる。守備が安定しないから、攻撃陣も守備が気になりすぎて、果敢な攻めができない。この23人で1次リーグを突破する可能性は十分ではないが、やり方次第ではあると思っている。それを実現させるには、西野監督の勇気ある決断が必要だ。(日刊スポーツ評論家)